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「もう一度、KAISEIの店長に問い質す」


「そうね。只野先生、私も行きます。一緒に行きましょう」


 担当は身支度を整え、俺と共に部屋を出た。


 スーパーKAISEIに行く途中、彼女が登録していた派遣会社に電話を掛ける。

 だが、退職理由は『一身上の都合』というだけで、彼女の新しい就職先はわからなかった。


 ◇


「すみません、店長さんいらっしゃいますか?」


 KAISEIの店先で、担当が店員に声を掛ける。


「店長ですか?失礼ですが、どちら様ですか?」


「御園まひるの友人です」


「御園さんの?少々お待ち下さい」


 あの店長のことだ、俺が傍にいれば敬遠し真実を語らないだろう。


「君、俺がいると奴は本当のことを話さないかもしれない。俺は店の外で待つ」


「どうしてですか?」


「奴にストーカー呼ばわりされたからな」


「只野先生がまひるのストーカーですか?わかりました。私が話を伺います」

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