刺激的な関係
まひるside
105
パソコンの操作でわからないことがあり、店長に電話で指示をあおぐ。勤務時間を聞いていなかったので、改めて確認した。
電話を終えると、電池はもう殆ど残っていなかった。昨日うっかり充電しわすれたんだ。
「店長、すみません。私は何時までここで勤務すればいいのでしょうか?」
素朴な質問に返ってきたのは、意外な答え。
『隣室にベッドルームがある。そこが君の部屋だ。今日から自由に使ってくれていいから』
ここで……
今日から生活しろと?
ここはどう考えても寮とは言い難い。
『【桃色恋愛カウンセラー】は人気サイトでね。みんな桃色に憧れてアクセスしてくる。昼夜問わずだ。だから前任も住み込みだったんだよ。それから、パソコンは僕のパスワードがないと開かないからね。『桃色恋愛カウンセラー』を閉じると全てがシャットダウンする仕組みになっている。そうなると自分で開くことは出来ないよ。即ちパソコンからは個人的なメールは出来ないということだ。いいね』
このパソコンでそんなことしないよ。
みやこにKAISEIグループ企業の正社員になると断言したのに、その仕事がKAISEIグループとは全く関係のない出会い系サイトの運営に関わる仕事だったなんて誰にも言えない。
しかも……
明らかに違法性を感じる。
桃色がネットで逢うことを持ち掛け、別の女性が桃色になりすますのだから。
援交……
売春……
詐欺……
脳裏に様々なことが浮かぶ。
私、もしかしてずっと帰れないの?
着替えも携帯電話の充電器もない。困ったな。さっきかけた店長への電話でもう充電切れだ。
店長に理由を言って、一旦帰宅しないと。
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