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「お客様、店長と何かトラブルでも?」
レジを打ちながら、年配の女性店員が小声で話し掛けてきた。
「いつもの女性店員がいないから問い質したら、この俺をストーカー扱いだ。失敬な。名誉棄損で訴えたいくらいだ」
「まひるちゃんのことですか?神隠しに遭ったみたいに突然退職したから、私達も心配していたんですよ。派遣会社も辞めたみたいで、どうしたんだろうって」
「神隠し?派遣会社まで辞めたのか?」
「はい。ここだけの話、昨日店長と二人きりで駅裏の祭から出てくるところを偶然店員が見かけ、店長と怪しいって噂していたんです。もしかしたら付き合っていたのかな」
「アイツと彼女が?」
「いえ、すみません。お客様にこのような噂話を。お客様はまひるちゃんと親しくされていたので、何かご存知かと思いましてね。もし彼女から連絡がありましたら知らせてくれませんか」
「こちらが聞きたい」
俺が知っているのは彼女の住まいではなく、行きつけのネットカフェだ。
あそこに行けば、彼女に逢えるかもしれない。
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