直人side

98

【群青色さんはその女性のことをどのように思われていますか?本気で交際したいと思われていますか?】


 いきなり何だ。

 失礼な質問だな。


 彼女は俺の小説の主人公。

 彼女なしには、小説は完結しない。


【君にそのようなことを答える必要はない。】


 自分から彼女との付き合い方を相談したくせに、俺は桃色のストレートな質問に憤慨する。


【桃色から群青色さんに、もう何もアドバイスすることはありません。これにて無料カウンセリングは終了とさせていただきます。】


 いきなり終了か。

 俺の受け答えに、機嫌を損ねたのか。


 カウンセラーのくせに、感情的な女だな。今日の桃色は少し変だ。今までとは印象が異なる。人の話を聞くというより、随分挑発的だな。


 どちらにしろ、俺は桃色に拒絶されたわけだ。


 憤慨しつつも、桃色に突き放された俺は潔くパソコンを閉じる。拒絶された相手に、しつこくするのは俺のプライドが許さない。

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