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「是非、お願いします」
「明日、職場に案内するよ。僕はスーパーKAISEIの世田谷店店長という肩書きになっているが、実はKAISEIグループの代表取締役社長は僕の父なんだよ」
「……え!?」
「父の方針で素性を隠し、今は営業店で仕事をしているが、次期社長の椅子は約束されている。御園さんをKAISEIグループの関連企業で正社員として採用することも可能だ。派遣会社で企業を転々とするよりずっといいと思わないか?」
「はい」
「御園さんには、御園さんに適した仕事があると、僕は常々思っていたんだ」
「ありがとうございます。光栄です」
「では、そのつもりで進めていいんだね」
店長は私のグラスにビールを注いだ。シューッと湧き上がる泡を見つめる。
「はい」
ビールを一気に飲み干すと、店長は目を細め再びグラスにビールを注ぐ。
「この話は、他の従業員には言わないで欲しい。御園さんは特別だから秘密を話したんだよ」
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