刺激的な愛人契約
まひるside
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お料理が運ばれ、取り敢えずビールで乾杯する。何のための乾杯なのか理解できないまま、グラスがカチンと小さな音を鳴らした。
食事をしながら店長はにこやかに雑談し、上機嫌で私にビールを勧めてくる。
少し酔いの回った店長は、私の指に触れた。
「君は綺麗な指をしているな」
思わず、手を引っ込める。
「……あの。店長、私にお話とは?」
「君の仕事に対しての前向きな努力は認める。だがミスが多すぎる。契約の途中だがこれ以上継続は出来ない」
やっぱり……。
「接客も得意ではなさそうだね。自分でも、スーパーの荷出しやレジは不向きだと思わないか」
「……私、解雇でしょうか?」
「派遣社員が期間満了前に解雇されるとなると、君も今後困るだろう」
「……はい」
困るどころか評価が下がり、次の派遣先を紹介してもらえないよ。
「そこで相談だが、僕と新たな契約を結ばないか?」
「契約……ですか?どのような仕事ですか?」
「御園さんは友人宅に間借りしているんだよな。肩身が狭いだろう。僕が住まいも与えよう」
「その職場には寮があるのですか?」
寮があるなら、みやこのマンションに居候しなくて済む。
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