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 スーパーKAISEI 店長、高倉英雄(たかくらひでお)、四十二歳。口煩く、苦手な存在。


「最近、仕事中に彼とよく話をしているみたいだが、特定のお客様と親しくするのは従業員としてどうかな。ちょっと事務室に来なさい」


「はい」


 またお説教だ。

 もう時間なんだけどな。説教で延ばすのは勘弁して欲しい。


 事務室に入るなり、いつものセリフ。


「派遣社員の代わりはいくらでもいるんだからね」


 相変わらず、嫌味だな。耳に胼胝タコができるくらい聞いた。


「…すみません。只野様には以前ご迷惑を掛けたので、つい……」


「卵の件か。あの時点で君をクビにすることも可能だった。でも派遣会社に君の不祥事は報告しなかった。何故だかわかるかね?」


「…えっ?」


「いつも君に煩く注意をするのは、それだけ君を気に掛けているからだ」


 それって…?

 契約解除しないってこと?


「ありがとうございます」

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