80
◇
翌日午後六時半、只野さんがKAISEIに来店。
「いらっしゃいませ。先日はありがとうございました」
「また困った時はいつでも利用するがいい。これは友達として言っているのだ。変な意味はない」
「はい」
相変わらず、不器用な人だな。
「お仕事上手くいくといいですね」
「何故だ」
いけない。昨日みやこの話を聞いて、私の方が不安になり、……つい、口走ってしまった。
「只野先生のお顔がとても穏やかなので、そう思っただけです」
「俺の顔が穏やか?いつも俺は穏やかだ」
「……失礼しました。本日は精肉がお安いですよ。お弁当も半額になっています」
「そうか」
只野さんはそのまま精肉売り場へと向かう。
「取っ付きにくいけど、根はいい人なんだよね」
ボソッと独り言を呟く。
「御園さん、誰がいい人だって?彼はやめた方がいいよ。変わり者だって噂だから」
「て、店長!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます