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「俺が寂しい?俺は快適な生活をしている。強いて言えば、収入があればいうことはないが、連載が決まったから、それもすぐに解消される。丼物は熱いうちに食え」
「はい。いただきます」
お味噌汁を口に含む。口の中で懐かしい母の味がした。
「美味しい……」
「褒めても、それ以上何も出ないぞ」
「あの……差し出がましいようですが、小説の執筆は順調ですか?」
「何故そんなことを聞く。順調に決まってるだろ」
「どの原稿用紙にも、刺激的しか書かれていないので…」
「……っ」
只野さんは慌てて畳に散らばる原稿用紙を掴み、丸めてゴミ箱に投げ捨てた。
「只野先生、何かお困りなことでも?泊めていただくお礼に、何か私に出来ることはありませんか?」
只野さんがまじまじと私を見つめた。その真剣な眼差しに、思わず怯む。
「わ、わ、私は友達として、言ったまでです。誤解しないで下さい」
「そんなことはわかっている。君と俺は友達だ。ならば参考までに問う。刺激的な恋とは何だ」
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