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夕方までマンションで過ごし、早めにシャワーも済ませて、いつものネットカフェに向かった。
午後七時。
店内に入ると、ネットカフェに似つかわしくない人物が視界に入る。
「只野先生……。どうされたのですか?」
只野さんが疲れ果てた表情で、椅子から立ち上がる。
「遅い。八時間待った」
「えっ?ここで……私をですか?」
「そうだ」
ネットカフェに八時間も?
一体、何をしてたの?
気分転換にここで小説でも書いてたのかな。
「今日は仕事が休みなのに、ネットカフェなのか?」
「はい」
みやこはストレスが溜まると、男の人を連れて帰るからね。
そのストレス与えたのは只野さんだけど。
「今夜もここに泊まるのか?」
「……はい。その予定ですが」
「俺の家に泊まらないか?性的なことは強要しない。友達として言ってるんだ。空き部屋は沢山ある。どうだ?」
性的なことは強要しない?
わざわざ口に出すなんて、余計怪しいよ。
でも……
まんざら嘘でもなさそうだ。
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