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「それにさ、主人公の年齢は二十七〜二十八。独身、男性経験なし。恋の相手は三十歳独身。顔はイマイチ、性格は捻くれ、女性からも嫌われ、夜はテクニシャン。これって、自分がテクニシャンだと言いたいのかな。これで読者を惹き付けられると思う?センス悪すぎだよ」


「それノンフィクションなの?」


「まひるもそう思うでしょう。この主人公、どう考えても只野先生だよ。男性が冴えないなら、女性だけでも魅力的にすればいいのに。女も地味子ってどうなのよ」


 女は地味じゃダメなの?

 ……私みたいなタイプはヒロインにはなれないんだ。


「只野先生、多分恋愛経験少ないんだよ」


 私もそうだけど、恋愛経験が少ないってそんなに悪いことなのかな。


「そういえば、編集部で打ち合わせした時に、『恋人はいるのか』とか『オフィスラブの経験は』とか聞かれたな。打ち合わせ中にナンパするなんて最低だよね」


「……そうなの!?もし只野先生に交際を申し込まれたら、みやこはどうする?」


 只野さんがみやこをナンパしたなんて、ちょっとショック。

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