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デートをするように楽しむ。
最近、女性とろくに会話したことすらない。どのように楽しめばいいのかわからないが、男同士のように付き合えばいいのだな。
まて、俺は友達と一緒に酒を飲んだことがない。友達と映画やコンサートに行ったこともない。学生時代から、友達と呼べる存在は一人もいなかった。
でも、ここで怯むわけにはいかない。もうストーリーは始まっているのだ。
取り敢えず、彼女に性的な要求をしなければいいのだな。
だが、ぬるま湯に浸かるような交際では、刺激的なプロローグが一行も書けないではないか。
これは困った。
結局、その日もプロットを完成できなかった。原稿に数行書いては丸めて捨てるの繰り返し、プロットが書けないのだから、プロローグが書けるはずもない。
――翌日、スーパーKAISEIに行く。目的は彼女に逢うため。
彼女に何かヒントを与えて欲しいと思ったからだ。
きっと彼女なら、奇想天外なことをしでかしてくれるだろう。
だが、設定はあくまでも『友達』だ。
「いらっしゃいませ。只野様」
「只野様では友達らしくない」
「……すみません。只野先生」
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