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「若い女性をネットカフェに泊まらせてしまい、申し訳なかったね。みやこはよく寝ている。このまま起こさないで帰るよ。失礼」


「はい。どうも……」


 礼儀正しい人だな。みやこもあんな男性と付き合うんだ。


 男性が帰宅し、慌てて部屋を飛び出す必要もなくなり、ダイニングテーブルの椅子に座って缶珈琲を開ける。


 再びドアが開き、寝惚け眼でみやこが出て来た。とかしてない髪、身に着けているものはもちろん下着だけ。


「ふぁ……っ、まひる帰ってたの?おはよう」


「おはようみやこ。彼、今帰ったよ。みやこがよく寝てるから起こさないで帰るって。今まで付き合った人とは違うタイプだね」


「既婚者だからね。それはそうでしょ」


「既婚者!?」


 さらりと言ってのけたみやこに、私は目を見開き唖然とする。


 互いの恋愛に干渉しない。

 それがみやこと私の暗黙のルール。だから、今までどんな人を連れて帰っても干渉しなかった。


 でも不倫だけは賛成出来ない。


「みやこ、既婚者と付き合ってるの?」


「大丈夫よ。深入りしないから」



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