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『まひる、ほんまなん?』
鼓膜がキンキンするくらい甲高い声。娘の恋バナに興奮している様子がありありとわかる。
『有名な作家って誰なんね』
「まだ言わん。有名な人だから、母さんが人にペラペラ喋ったら困るけぇね」
『世田谷に豪邸があるなんて、億万長者?どこでそんな人を見つけたん?』
「そんなんどうでもええじゃろ。根掘り葉掘り聞かんでや。恋人がいるんだから、もう煩く結婚、結婚って言わんでね。お見合い写真ももう送らんでよ。じゃあ、切るよ」
『まひる、その人絶対逃がさんのよ。そんな人もう二度と捕まえられんよ。ええね』
只野さんだよ。
正直、親密になりたくはない。
でも母には恋人だということにしておこう。
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