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 今夜みやこは飲み会だ。

 飲み会イコールお持ち帰り。その方程式が正しければ、今夜私はネットカフェ難民となる。


 そんな時、只野さんに食事に誘われた。一人きりで食事をするなら、只野さんと一度くらい一緒に食事をしても構わないかも。


 別に深い意味はない。只野さんに好意があるわけでもない。

 只野さんが約束通り、私の不祥事を全て水に流してくれるなら。


 ただし、安全な場所に限る。


 ◇


「ここで食事を?」


「はい。只野様、このような場所は初めてですか?」


「ああ、噂に聞いたことはあるが初めてだ。それと俺を呼ぶ時に敬称はつけないでくれ。俺は殿様でもお代官でもない。イメージが狂う」


 誰もそんなこと思ってないよ。お客様だから敬称を付けているだけ。


 ここは私がよく利用するネットカフェだ。あとでみやこにメールして、今夜は男性と一緒かどうか確認し、一緒ならばこのまま宿泊すればいい。


「では只野先生とお呼びすればいいですか?」


「そうだな。その方がしっくりする。君はこのような場所によく来るのか?」


「はい。ここは飲食持ち込み可なので」


「成る程。住まいがあるのにここで飲食を?」


「たまに。一人ではないので色々ありますから」


 只野さんは気難しい顔で私の話を聞いている。


「男性と同棲してるのにネットカフェか」


 只野さんはぶつぶつと呟いている。『同棲』という言葉に私はぶるぶると首を振る。

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