20

「偏屈只野?」


「編集長曰く、気難しくて性格が捻くれていて頑固で強情。男としての器が小さいらしいよ。コテンパンに貶すくせにpamyuの連載に大抜擢するなんて、学生時代よほど親しかったか、何らかの弱みを握られているかどちらかだね」


「彼が才能豊かな人だからじゃない?」


「そうかな。そんな風には見えないけど。来週プロットもらう予定だから、それで判断するわ」


「みやこは男には甘いのに、仕事には厳しいのね」


「まひるこそ、手厳しいな。仕事と遊びは別よ。編集長の友人だからって妥協は出来ないわ」


 こうして遠慮なく何でも話せるのは、みやこだけかもしれない。


 私は人見知りだし、他人と会話するのも苦手。口下手だし要領も悪い。特に男性は苦手。面と向かうとテンパって何を話せばいいのかわからなくなる。


 この性格が、出版社に採用されなかった大きな理由かも。


 文章を書くことや、本を読むことは昔から好きだったけど、思い通りにはなかなか生きられない。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る