「はい、編集長」


「相武、こちらは只野直人先生、俺の学生時代の友人だ」


 俺が先生……?

 初めて呼ばれた。

 ちょっと気持ちいい。


「私は週刊pamyuの小説部門を担当しております。セシリア紅ローズ文庫の相武みやこと申します。宜しくお願いします」


「訂正しておくが、俺達は同じ大学に在籍していただけで、決して友人ではない」


「えっ?」


 彼女は困ったような眼差しで、一樹を見つめた。


「はははっ、只野先生はちょっと変わってるんだ。学生時代に地方新聞の公募で大賞を受賞された優秀な方だから。週刊pamyu(ぱみゅ)に只野先生の恋愛小説を連載し、ベニロで秋刊行予定だ」


「pamyuで連載ですか?失礼ですが、只野先生の代表作は?」


「相武、先生に失礼だよ。取り敢えず、先生の担当はお前に任せるからな。来月から連載開始するから。只野先生、スケジュールは大丈夫ですよね?」


 来月って、いきなり連載するのか。

 一樹もチャレンジャーだな。そんなに俺の作品が欲しいのか。ならば、その願い叶えてやろう。


「問題ない」


「では、来週までに急ぎプロットを作成して貰えますかね?」


「問題ない」


「さすがだね。あとは相武から詳細を聞いてくれ。相武任せたからな」


「はい、編集長」


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