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「ですよね。只野君、紅ローズ文庫から小説を出版しませんか?」
書き下ろし……ってことか?
俺の反応を試しているのか。
「まずはセシリア社の女性向け週刊誌で連載し、好評ならば秋頃の出版でいかがですか?」
「女性誌で連載?」
まさかの商談。
八年もの間、書き溜めた作品が何ひとつ相手にされなかったのに、一頁も書いていない作品が、出版社に売れた?
「週刊誌なので、毎週原稿をいただく形になりますが、執筆するお時間はありますか?」
俺は作家だ。他に仕事はしていない。強いてあげるなら、家事と家庭菜園くらい。時間なら掃いて捨てるほどある。
「弊社で担当をつけますよ。是非書いていただけませんか?おーい、相武」
一樹に名前を呼ばれた女性が、スッと立ち上がる。スレンダーで容姿端麗。いかにも仕事が出来そうなキャリアウーマン。
先程訪問した某出版社の小生意気で派手な編集者とは、雰囲気が全く異なる。
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