2次元と3次元の違ったところ 僕に告白してきた女の子は…

でぃーず

2次元と3次元の違ったところ 僕に告白してきた女の子は…

「付き合ってくださいッ!!」


「あ…えーっと…」


あ、どうも皆さんこんにちは。

僕の名前は木山きやま涼夜りょうや

涼しいに夜、と書いて涼夜だ。

現在僕は七星ななぼし高校の高校2年生高校の名前の意味はわからん。2年3組、全部で5組あるこの学校生活で季節は5月の下旬頃でそろそろ暑くなってくる頃だ。

直球だが、僕は二次元にしか興味が無かった。

三次元というものはよく分からず、何処が可愛いのか分からない。三次元のアイドルが歌っている番組とか見たことあるけど何処が可愛いのか、僕には分からなかった。まだ二次元の方が手は届かないが、キャラも可愛いし声も可愛い。二次元アイドルはかなり制作にも凝っているし、結構好きだ。

こういう性格のせいか、三次元で起こることは興味がまるでない、学校で話しかけられても無視する。そのため面倒ごとを任される時がある。

この前なんか隣りの席の女子が学級委員やってくれないかと頼んできた。

一体なんだって僕なんだろうか。

この女子は多分、いや絶対間違った選択をしている。

僕に学級委員が務まるとでも本気で思っているのか?

学級委員ってものはみんなをまとめられて、みんなの中心的存在だろ?

その時彼女は僕にずっと頼んできた。

「お願い」だとか「木山君しかいないの」だとか、他にも居るだろう。

無視し続けていると今度は周りに助けを求めている。

集まってきたクラスの男は「木山、女子の頼みごとも聞けえねのかよ」とかなんとか言っているが、1mmも彼女には関わっているつもりはない。

もしこれが二次元だとしたら、、、、だとしたら!迷わず学級委員になっていたであろう。むしろ喜ぶほどだ。

しかしここは三次元。そんなことは恋愛シュミレーションゲーム、ギャルゲーにしかないのだ。

勿論、僕は周りがなんと言おうと彼女の頼みは拒否した。結局クラスの中心となった人物は藤岡ふじおかとかいう運動神経バツグンのムードメーカー的存在の人になった。これで僕に学級委員をやれと言ってくるやつはいなくなったわけだ。


おっと、話を戻すが、今僕はまさにその学級委員をやれやれうるさい女子に告白されたのだが、、、

しかし何故告白をする?僕のどこが良かったんだ?

『私が話しかけても無視する涼夜君かっこいい…』

ってか?そんな理由だったら笑ってしまうよ。


「理由を、聞かせてもらえる?」


気になった僕は彼女に聞いた。


「えっと、その…前近所の子たちと遊んでいたのを見て、学校では無愛想だけど他の所では優しいんだな、って思って…。今思えばそこから好きになっちゃったのかな…」


と彼女は答えた。

確かに近所の子供たちと遊んでいた記憶は少しある。

あの時はネットで面白いものがなかったから、外で気分転換をしようと公園に行ったら子供たちに鬼ごっこをしようと言われて無理矢理参加させられた様な気がする……ダメだ、三次元の事だから記憶が曖昧だ。


「あー、悪いけど正直僕は三次元に興味が全く無いんだ、三次元で起こった事は1週間もすればほぼ記憶から消える」


僕は三次元が別にどうなろうが関係ないのできっぱり自分の考えを言った。

三次元で起こった事は記憶から消えると言ったが、勉強は別という事は分かってくれ。

何故なら文字は二次元だろ?ハイ終わり。

そう考えているおかげで自分で言うのもなんだが僕は学校ではそこそこ頭がいいほうだ。

まぁこれで彼女も諦めてくれるだろ、できるだけこんな事は起こって欲しくない。


「ふふ…一人称『僕』なんだ、ちょっと可愛い…」


彼女は右手の甲で口を抑え、クスッと笑いながら言った。

ハイ、ストップ。


まず話を整理しようか。

僕は三次元の女子に告白されました。

僕はきっぱり断りました。

相手の反応「ちょっと可愛い」

はい、1回天に召されてきなさい。

ん?もしかしてもう付き合っている関係的な何かになっちゃったんですか?

ぼくそんなこと断じて許すマジ!!


「もし僕と付き合いたいなら文字になるか絵になって出直してきて」


これでいなくなってくれるだろう、実際人間が文字や絵になる事は不可能、似顔絵というものもあるがあくまで『似顔』の絵だ。つまり、今僕の前にいる彼女の姿顔つき、表情もそのまま絵に出さない限り無理だ。


「そうなの?じゃあこれ。私の写真。三次元で撮ったけどこれは紙に印刷されているから二次元でしょ?」


その手があったか、なんというブーメラン。

その前になんでこいつ自分が写ってる写真持ち歩いてるんだよ。

だがしかし!1つ彼女は間違っている。


「違うね、全く違う」


「え…?違うの?」


彼女はどうして?という表情をして首を少し傾げていた。


「何故なら、絵は英語でピクチャーだ、それに対して写真というのは英語でピクチャーということもあるが実際のところは写真はフォトだ、本当はフォトグラ…んまあいいだろう、写真という意味で使うピクチャーは絵に近い、心で描くや、基本絵に近いものに使われる、すなわちこの写真はピクチャーとは言わない、この写真はフォトだ。フォトは今実際君が写っているこの写真みたいなもののことを言う、つまりこの写真は二次元とは言わない、そもそもこれは三次元の空間をそのまま一方的に二次元っぽくしたものだ、理解したか?」


「うん、ワカンナイ☆」


なんだこいつ、人が一緒懸命1年分ぐらいの言葉を喋ったと言うのに、何が笑顔で「ワカンナイ☆」だよ。

人の気持ちを考えてないにも程がある。

しかし何故だろう…今僕は二次元でいっぱいの心に三次元が少しだけ入り込んだような気がした。


「少し……考えさせてくれ……」


「うん、いくらでも待つよ」


そうして僕の前から彼女が立ち去った。


その日の授業が終わり待ちわびていた帰宅の時間だ、僕は誰よりも早く学校を出た。

全くついてない日だ。まさか二次元の事を少しだけ考えるのをやめるとは、僕もまだまだということだ。

家に帰ったら二次元にどっぷり浸かるとしよう。


その時僕の頭の中に彼女の笑顔がふと蘇った。

なんで今あいつの顔が出てきたんだ…まさか呪いか?

まじで勘弁、僕の生活リズムが崩れちゃうよ。


キイィィィィッ!!!!!


…ん?


ドオォォォォンッ!!!!


気がつくと僕は宙を舞っていた。

なんだ?空でも飛べるようになったか?

いやでも落ちている、しかもさっきの音は…?


僕は帰り道、前からとんでもない速さで突っ込んできた大型トラックに衝突し、そのまま後方へ突き飛ばされた。

飛ばされた後、地面に叩きつけられたり、擦り付けられたり、色んなところにぶつかり、ようやく動きが止まった。


「キャァアアアアアァァァァァァァァァ!!!!」


他に帰っていた女子生徒が悲鳴を上げた。

その頃には僕の意識は無かった。



「…知らない天井だ」


僕はとあるアニメでいいそうな言葉を口にした。

確か僕はトラックに跳ねられてそれで…


「痛ッ!」


肘や太ももに激痛が走った。

首を動かし、肘を見てみたら、ギプスにがっちり固定されていた。太ももにも確認はできないが、何かに固定されていることがわかる。頭にも包帯がしてあるのだろうか。

何か布の感触がする。

ここは病院か…全く、僕としたことが迂闊うかつだった。あの時、避けておけば……って、あのスピードで避けること出来る人いないだろ!時止められる人は除いて!


「いてっ…」


あー全くついていない、三次元の女子に告白されるし、一瞬二次元消えるし、トラックに跳ねられるし…


トコトコトコ…


と外から足音が聞こえた。

なんだ?病院だからナースとか何かか、興味ないな。

そしてその予想は的中した。

だが、そのナースは僕のことを見るなり


「先生ぇぇぇぇぇ!!!」


と叫びながらどこかへ行ってしまった。

全く、三次元はホントにわからないものだ。ここに来たと思えばいきなり叫び出すし、頭狂ったか?

しばらくすると医者が僕のいる部屋へ入ってきた。


「涼夜くん!大丈夫かね!?」


一体何がどうなってこんなに驚いているのだろうか。僕には理解できない。無視しようと思ったがここは病院、無視すれば意識が無いと思われる可能性がある、それは面倒だ。とりあえず返事はしておくか。


「おん」


医者は「良かった…」とほっとしているようだった。


「君は本当は目が覚めるかどうかわからない状態だったんだ…」


なんかしゃべり始めた。僕には関係の無いことだろう……ってマジで…?


「あの事件が合って約2週間、そろそろ脳も心配になってきてやばかったんだ」


医者が「やばい」って使うか普通。

しかし、2週間はキツイな、みたいアニメとか色々あったのにな2話分見送れた感じか…まあ勉強はどうにかなるだろう。


「この2週間ずっと君の看病をしてくれた人が居たんだよ、目がピクッと動いた時には凄く喜んでいたよ」


誰だ、僕なんかを看病したやつ。


「確か…名前が…森川って言ったかな?そうだ!森川もりかわ 詩織しおり


医者は名前を思い出し手をポンと叩いた。


「誰それ…怖いんだけど…」


久しぶりに全身に冷や汗をかいたよ。森川 詩織?マジで誰だよ!


「あれ?知り合いじゃないのかい?」


「全くシラネ」


「そろそろ来る時間じゃないかな。では私は行くとするよ。森川って子に会ったらお礼をしときなさい」


医者はそう言って病室から出た。

危なかったといっていたからここは集中治療室だろう。


タッタッタッタ


医者が出ていった後にすぐに足音が聞こえてきてその足音が近くなる。

次は誰だぃ、その森川とか言うやつかな?誰だか知らないけど会ったらきっぱりと言わねぇと。


「涼夜君!?目が覚めたのね!?」


医者と入れ違いでやってきたのは、

トラックに轢かれる前に告白してきたあの女子だった。

ナンテコッタイ

お前かよ…学校どうした学校、今授業中だろ。


「実は授業休んで来ちゃったの、先生から涼夜君が目覚めたって聞いて」


なんだこいつ、お前何者だよ、俺の思っていること感じ取れんのかよこいつは。


「あー、今なんだこいつ、お前何者だよって思ったでしょー」


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いダレカタスケテー

ここに人の心を読む事が出来る程度の能力を持った奴がいまーす。おまわりさーん!!


「痛いところとかない?体調大丈夫?ご飯たべれる?食べれないなら私があーんてしてあげるからね?それと体の汗大丈夫?体拭いてあげようか?ん?大丈夫。拭いたタオルはちゃんと真空パックに入れて厳重に保管しとくから。あとトイレ大丈夫?なんなら私が手伝ってあげようか?あとそれと…」


だめだこいつ、はやくなんとかしないと。


「わかった…じゃあ1つ聞いてもらえるかな?」


「うん!いいよ!なんでも聞いてあげる!」


こいつ今何でもって言ったな、帰れって言ったら帰ってくれるのか、なんて有能だ。


「何?お腹空いた?それとも熱い?それとも…」


「うん。大丈夫だから帰れ」


待てよ、もしかしたらこいつの事だから「あれ?聞こえないなー」とか、「もう1度言ってもらえる?」とか言いそうだな


「わかった、涼夜君がそう願うならそうする」


あれ、以外と素直だった件について。

そうして荷物をまとめて颯爽と部屋を出ていった。

やっと静かになった…あれ…おかしいな…意識が朦朧として…

目の前がぼんやりとなり、意識を失ってしまった。



涼夜君の病室から去った後私は真っ直ぐ家に帰った。

なかなか涼夜君にわかってもらえなくて少し悲しい…そう思いながら家に帰り、先にお風呂へと入った。

何故ならもうすぐお母さんが帰ってくるから、先に済ませた方が楽だと思ったのよ。


「どうしたら、わかってくれるのかな…」


そう呟きながら私はお風呂の水に口をつけ、ブクブクと息を吐いた。


私が上がってくる頃にはもうお母さんは帰ってきていて、ソファーに寝ていた。

もう、そんな格好で寝たら風邪引いちゃうのに…


「そんなところで寝てると風邪ひくよ?」


私はお母さんの体を揺すったが、何度動かしても起きなかった。仕方なく私は掛け布団をお母さんの体に縛り付けておいた。


「これで風邪ひかないでしょ」


私は家にあったもので適当にカレーライスを作ってひとりで食べた。

食べ終わり、食器を片付けテレビを見ているといきなりお母さんが目を覚ました。


「え?なにこれ?ちょっと!詩織?これ外しなさい!!」


「お母さんがそんなところで寝てるからだよ、風引くよ?」


私はテレビを消して、手に持っていた物で切ってあげた。


その後、私はもう捨てるゴミを袋に詰めて

「私もう寝るね。おやすみ、お母さん」

そう口にしてリビングから出た。

不意に口元がゆるんだ。

そしてふと思いついた。

涼夜君のお母さんにも同じことをしてあげようと。

だけど色々用意しなきゃ。

色々考えていたら不意に口元がゆるんだ。



「ん…見たことある天井だ…」


たしか森川?って人が来て、帰らせたあとになんかぼーっとして…それからどうなったんだ?

全く思い出せない…

外は明るい、別に夜でも朝でもどっちでもいいんだけど、僕の予想だが森川とかいうヤツになんかされたとしか思えないんだが…


「大丈夫かね!?君?」


この前いたあの医者だ。

僕の体に異常はないと聞いて僕の予想は外れてくれた。


「いきなり意識失うからほんとにびっくりして死にそうだったよ」


だから医者が死にそうとか使うかよ普通。

この病院どーなってんだ。


「でも安心してくれ。3日後には退院出来るから」


お、それは嬉しい。やっとアニメが見れる場所に帰れるぞ。

とりあえずここ3日間あの森川とかいうやつと会わないように願おう。


「涼夜君!大丈夫!?」


ハイ…フラグ回収乙です!

一体なんだって僕にこんなにまとわりついてくるんだ。告白されたはされたが僕は断ったはず………


『少し……考えさせてくれ………』


断ってなかった……僕としたことが……

早く断らないと、僕の大切な時間が無駄になる。


「お前いいから帰れ」


「えーなんでー?せっかくお祝いに花束持ってきたのに…」


花束なんて要らない、無理矢理渡されたが……

見た感じ白くて花びらが2つついているような花だった。


「これから毎日持ってくるからね…あ!もうこんな時間!!私もう行かなきゃ、ばいばい」


彼女は颯爽と部屋から出ていった。


「じゃあ私もこの当たりで失礼するよ」


医者も部屋から出ていった。

まあそんなのはどうでもいい、この花っつーか実?なんてんだっけな………あ!そうだ!スノードロップ!確か花言葉が残酷なので有名だったはず…【あなたの死を望みます】だっけな……っておい!!マジか?マジなのかあいつ?まじかまじかまじか…

いやまて落ち着け、もしかしたらただ綺麗で持ってきただけかもしれない、うんきっとそうだうん…そうと信じよう……

一応、飾っておくか。希望って言葉もあるし。自分のものになったから関係ないっしょ。

それにしてもまた採血すんのかよ…。

痛いし2時間ごとに採血ってどーいうこったい。

マジで眠い。

まだ3時だけど眠いし寝るか、勝手に採血してくれおやすみ……




…………目が覚めてしまった…

今は朝の6時…こんなに早く目が覚めるとすごくつまらん。だから病院は嫌だ、病院まだ開いてねぇし…寝ようと思ってもぱっちり目が開いちゃってるし。

しょうがない歌でも歌って時間潰すか…


邪気眼発動! 堕天使召喚!

魔界の扉が今から開くの

闇夜を纏いし運命【さだめ】は廻りて

悪魔の調べで 貴方を虜にする


闇で、闇で、闇で、闇で、

闇で、闇で、闇で、闇で、染まれよ!

闇で染まれよ………え?何の歌かって?

そんなの闇の魔〇〇女に決まってんじゃん。

歌詞に爆ぜろリア充ってあるんだよな、この歌。

って、まだ時間経たねぇのかよ…

暇だ…そういやー森川とかいうやつ、毎日花持ってくるとか言ってたな、めんどくさい…ドクダミとか持ってくんなよ?臭いから。


「…隣に聞かれてないよな?」


「ブフッ!き、聴いてませんし聴こえませんでしたよー…クックック…」


ヤベ、聞かれた…まっいっか…そろそろ7時か…7時早々来んじゃねぇぞ…迷惑だから。

来たら寝たフリでもしとこう。


「おはよう、涼夜君!」


早くね?7時ピッタリだぞ今。早すぎだろ。


「今日も花持ってきたんだー…って寝てるし…」


「いつも元気がいいねぇ」


隣りのやつ…余計な事を…


「ありがとうございます!」


やめろよ、やめろよ、気づくなよマジで…


「あ、涼夜君起きてるでしょ!今まぶたピクッて動いたもん」


気持ち悪いんだが…どんな観察力持ってんだよほんとに…


「ほーらー寝たフリしない!ほーらー!!」


「うるせぇー!!」


「やっぱり起きてた」


こいつはホントに僕の時間を潰すな、この人は…


「今日はこの花持ってきたの!!」


やっぱり持ってきたか…どんなのだよ今日は…


「んじゃ、私はこの辺で!バイバイ!」


なんだよ、ほんとに…早く来てそんで花渡したらすぐにいなくなるとか、ほんとに三次元はわからない…

って…この花はスノードロップより綺麗だな…

また白い花びらだけど真ん中ら辺に黄色くなんかあってその周りに紫っぽい柄がついている。

確か《キスツス》だっけか…この花言葉は知らんな。この前は死を望みますだったから今度はあなたの心臓をもらいますとか?ねぇかそんなの。でもスノードロップは希望って言うのもあったから欲望とか?そこら辺なきがするな。まあこれも一応飾っておくか…


「木山涼夜さん、検査しますので同行願います」


誰だお前は…同行願いますって…ほんとこの病院どうかしてるよな。普通だって同行願いますなんて言わねぇだろ!普通さ。そう言われると検査とか怖くて行けねぇわ。行くけどさ…


「涼夜君だね。同大?足とか腕は」


漢字漢字、変換おかしいだろ。同大足はとか言われてもわかんねぇよ。こんな病院さっさと退院したいわほんとに。


「痛くない」


とりあえずこう言っとこう。変換に関しては触れないでおいた方がいい気がする。


「そうか、じゃあ明日無事退院出来そうだな。よかったよかったハッハッハ」


検査という言葉は何だったのか……


………帰りたい。


「リハビリされますか?」


看護師が言ってきた。

確かにずっと動いてないから走るのとか厳しそうだな…やっとくか…


手すりに掴まって歩いてみる。

意外と歩けるもので、手すりから手を話しても結構歩けた。全力で走るのは難しいものの、普通の速さで歩く事は出来そうだ。

案外体がしっかりしていたことに少し感動する。

わけあるか。1ヶ月もいないんだぞここに、それで歩けないって事あるかよ。あるのか?わからん!

でもあの大怪我を1ヶ月もしないで治すって案外この病院も凄いのか。人はどうかと思うが…


あっという間に時間が過ぎて、もう夕方になっていた。

僕は歩くのとか走れるかとかそんなことで夢中で時間を忘れていた。昼ご飯も食べてない…まあいいや、ここのご飯不味いし……後は適当に部屋に戻ってキッズアニメでも見て寝るか……


と思って部屋に戻ってテレビつけたけど何もいいのやってねぇじゃねぇかよ……なんだよポカモンって…完璧ポケ〇ンのパクリじゃねぇかよ。物語だってシトサがウチュカピ連れて冒険に出る話だし……

つまらん…久しぶりにアニメ見てつまらんと思った…

しょうがない寝るか……



授業中〜6時限目〜


ガタガタガタガタガタガタガタガタ…。

早く涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい涼夜君に会いたい。


「誰だ机ガタガタ鳴らしているやつは!」


五月蝿うるさい。誰だ私の想いに邪魔するやつは。


ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…


「誰だ!ほんとに授業の邪魔になるから止めなさい!」


うるさいうるさいうるさいうるさい……

くそ…こいつを殺さないと涼夜君に会えない。

だけど殺したら涼夜君に会えない。どうすればいいの?

どうすれば涼夜君に。

どうすればいいの?どうすればいいの?どうすればいいの?どうすればいいの?どうすれば、どうすればどうスレバどウすれバ…。

…そうだ。私が怪我すればいいんだ。

そうすれば涼夜君に会える。

先生も納得してくれる。


私はあるケースからカッターを出し、Yシャツの上から刺した。

痛い、痛いけど涼夜君に比べたら全然。


カシャン。

私はおもむろにケースを落とし、先生に注目される様に図った。

先生は私に気づき、


「どうしたんだ君!」


と叫ぶように私に言った。

コレジャナイ。私が聞きたいのは涼夜君の声、涼夜君の声じゃなきゃイヤなの。涼夜君に早く会いたい。


「ケース開けたらカッターの刃が出ててびっくりしちゃったんです。そしたらケースが落ちちゃって。頑張って空中で取ろうとしたら刺さっちゃったんです。その上に私の手の体重が乗っちゃって。保健室行っていいですか?」


勿論嘘だ。自分で刺した。

早く涼夜君に会いたい。もうすぐ会える。涼夜君に会える涼夜君に会える涼夜君に会える涼夜君に涼夜君に涼夜君に涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君…

フヒヒッ…


「大丈夫か!?誰か一緒に行ってくれる人はいないか!?」


余計な…お世話だ


「1人で…大丈夫です……」


「でも…!」


「大丈夫ですッ!!」


「そ…そうか。無理するなよ…」


これで…涼夜君に会える…やっと!やっと!やっと!!

私はとりあえず保健室で手当してもらった後に早退した。

待ってて…涼夜君!涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君涼夜君ッ!!HAHAHA☆


んー…何故だろう…すごく嫌な予感がしてならなくて寝れないんだけど…でももうとっくに病院は閉まってる。この病院開くのは7時だけど閉まるの18時なんだよな。ほんとにおかしいと思う。でもそのおかげで今日は助けられたけどな、もう森川とかいうやつに会うことないから。

寝ろ!寝ろ!寝ろ!木山涼夜!

そう念じている間に見事に眠ることができた僕だった。



『あさ』


グーテンモルゲーン!

僕、木山涼夜。多分高校生。

今日もまた早くからいますねー、シーオリちゃん。

この人は実は殺し屋で……

んなわけないからな?うん。妄想やめようか。

でも、今日も早速いうよ?


「帰れ」


「昨日、涼夜君の声を聞きたくてしょうがなかったんだーよかった聞けて!昨日病院行ったらもう閉まっててどうにか入ろうとしたんだけど入れなくて狂いそうになっちゃった、テヘッ」


「帰れ」


「もう、しょうがないな。今日の花はこれだよ!それじゃあ!」


彼女は颯爽と出ていった。いつものことだ。花渡したらなんかすぐ居なくなるから助かる。

それにしてもんだこれ花びら多くね?パラパラ落ちそうだから早めに捨てとこう。これは見たことがない。そのため勿論名前も知らない。

最終日か、この部屋は僕だけになったな…とある日に闇の魔〇〇女歌ってたら隣りに聞かれてたその隣りの人も別棟に移ったし、まああの人は内蔵の病気だったらしいし、俺に比べりゃあ大変だもんな…そして最終日までにとっておいた時間潰しがあるのだ!

最終日はただただ過ごすのは嫌だからな!


テッテテーン!ラーイートーノーベールー!


実際全部読んだけどこのラノベは面白いから何回も読めるのだ!!

さあ、読もう!



『ピンポーン』


「はい」


扉の向こうから1人の女の人が出てきた。

恐らく涼夜君のお母さんだ。今までずっと同じ屋根の下で過ごしてきたなんて許せない。

涼夜君と同じ屋根の下で過ごすのは私だけ…他の人は絶対に許さない。

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さないユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ……


「どうも、森川詩織です」


「あ、涼夜の病院にいつも行ってくれた…どうぞ上がって」


「お邪魔します」


涼夜君は1人っ子。

何故なら標札に2人の名前しか無かったから。

つまり、この家の中は私とこの女だけ……


私は後ろからついていき、前の女がリビングの扉を開けたと同時にカバンからナイフを取り出す。

そして前の的めがけて突き刺す。


「あ……なに………を………」


私はカバンからハサミを取り出し、『それ』を切ってあげた。


私は台所を借りて、綺麗にやったものを洗った。

綺麗に…綺麗に…

いらないゴミを袋に詰めて、私はゴミ箱の横に置いた。

そして私はいつも通り学校へと向かった。


学校に着くといつも通り涼夜君の席が1つ空いてて、他のみんなは全員いる感じだった。


「森川さん!怪我大丈夫…?」


同じクラスの女子生徒だ。別に自分でやったんだから大丈夫に決まってるでしょ…あーうるさいうるさい、あんたの声なんか聞きたくない…私が求めているのは涼夜君の声のみ…今日が涼夜君の退院の日、フフフ…楽しみだなぁ…


「うん、大丈夫だよ。傷も浅いし」


私はとりあえずこう言っておいた。

相手は「よかった」といいながら去っていった。

今日はとても気分がいい。だって涼夜君が退院するんだから、その日が気分良くないなんてありえないよね?


時間はあっという間に過ぎ、昼休みになった。

私はいつも通りお弁当を食べていた。すると…


「ねぇ、ちょっといい?」


同じクラスの朝とは別の女子生徒だ。朝の人は「坂井」って人だった。今回は女子生徒の中でもめんどくさい「小林」っていう人で横に2人いた。名前は「宮川」と「山本」いつもの3人組だった。絡まれるのは嫌なほどだ。

私は一応バッグを持ち、その人たちについて行った。

連れてこられたのは屋上、外はかなり雨が降っていてすぐに校庭も水たまりだらけになるほどの大雨だった。私はその屋上にあるプールの屋根の場所に連れてこられた。そこは扉の反対側であまり先生に見つからない場所だった。


「ねぇ?あんたと木山君ってどんな関係?」


小林が腕を組みながら言ってきた、ほんとにうるさい、うるさいうるさいうるさいうるさい…


「ど、どんな関係って……友達?」


「ただの友達?そうかーただの友達ねぇー」


うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい…


「それがどうかしたの?」


「なんでただの友達のあんたがそんなに木山君にくっついてんの?」


うるさい、うるサい、うルサイ、ウルサイ…


「なんでって言われても…」


「マジうざいし気持ち悪いから木山君に近づかないでくんない?木山君にはあたしが1番お似合いなの」


あとから宮川と山本も「そうだよ」「あんたなんか似合わないんだよ」と言う。


私と涼夜君が似合わない……?そんなわけないよ、あんたは涼夜君の事を何も知らない…涼夜君の性格すらあんたは知らない…そんな奴と涼夜君が似合うわけない…涼夜君とお似合いなのはこの私だけ、ずっと


「なんで、、?」


私はそう言いながらそっとカバンに手を入れた。

その後宮川、山本、小林が話してきた。


「どーせあんたみたいなやつは木山君に振り向いてくれないから」


「だよねー!あんたみたいな根暗が木山君と付き合ったら涼夜君まで暗くなっちゃうし〜?」


「だからあんたには無理。木山君はあたしのものだから」


プツリッ……

私は限界来た。


「……れたい…?」


「はぁ?きこえないなーもっとちゃんと話してくれるー?」


「殺されたいかって聞いてんだよッ!!」


「……」「……」「……」


3人は目を見合わせた後に同時に


「「「アッハッハッハッー!!!」」」


と笑った。


「殺す?どうやってぇ〜?」と山本。


「あんたに殺せるほどの勇気あんの〜?」と宮川。


「殺せるもんなら殺してみなよ、ほ〜ら」と小林。


「あ、そう?殺していいんだ……じゃあ遠慮なく」


グサッ……


「え……?ゴホァ…ッ!」


「涼夜君は私のもの!私だけのものなの!お前らになんか絶対渡さない!」


私はカバンからナイフを取り出し小林の腹に思いっきり突き刺した。


「ちょ、ちょっと!あんた何やってんの!?」


山本が叫ぶように言う。


「だって…殺してみろって言ったよね?ねぇ!?言ったよねぇ!?そう言ったのあんたたちでしょ!?そう言ったってことは殺されても平気ってことでしょ!?何今更怯えてんの…?言ってることと行動が違うよ!?」


私は喋りながらもその女の上に乗り、腹、足、腕などを何度も刺した。

やがてその女は抵抗しなくなった。


「い、いやぁぁぁ!!」


もう1人いた宮川って人が扉に向かって逃げ出す。


涼夜君にはこんな奴ら必要ない。だから逃がすなんてこと絶対にしない。


私はナイフを投げ、そのナイフは見事宮川って女の首に直撃し、そのまま倒れた。


「殺してみろって言ったから殺したのに、それでなんで逃げるの?おかしいんじゃない?」


私は投げたナイフを回収しながら言った。

あと1人、山本って女か。見ると端っこで小さくなって怯えていた。

そこにいたんだ、涼夜君の邪魔になるやつはここから居なくなればいいんだよ。

私は1発山本って女の腹にナイフを刺してあげた。


「ぎゃぁぁぁぁあ!!!」


うるさいな…そんなに騒がなくてもいいでしょ?

そうだこの女に悩み事を相談してみよう。


「ねぇ?私頑張って涼夜君に振り向いてもらおうと思って全力を尽くしてきたんだ…でも…振り向いてくれない…」


「や、やめ…」


グシャッ


「なんでだと思う?なんで…なんで振り向いてくれないの?涼夜君…」


グシャッ


「なんで!」


グシャッ!


「涼夜君は!」


グシャッ!


「私に!」


グシャリ…


「振り向いて!」


グシャリ…


「くれないの!?」


グサッ…


あぁ…相談している間に死んじゃった…役に立たないな…


涼夜君…なんで…振り向いてくれないの…?


その時、雨はもっと強くなり、水色の床は1面赤色だった。


そうだ…いいこと思いついた!

学校にこんな人数いるから振り向いてくれないんだ…私だけになれば絶対に振り向いてくれるに違いない!そうだ…なんで今までこんないいこと思いつかなかったんだろう…


そう気づき私は扉の方へ歩いていたら担任の先生が入ってきた。


「誰かいるか?ん?森川か、なんでここに……ッ!!」


「何でもないです、あなたにはもう話す必要ありません」


「森川…あいつらを…まさか……」


「死んでよ、邪魔だから…」




はぁ…疲れたー。

ずっと本読んでると体勢がそのままだから意外と疲れるんだな…

もう少しで読み終わる…ってまだ半分だけど…

早く家に帰りたい…




そうだよ、ここの人達全員殺しちゃえばいいんだ。

まずは同じクラスから、その後に同じ学年、そして別の学年とドンドン殺していけばいいんだ。

私は自分のクラスに入った。すると


「森川さん!先生何処か知らない?」


朝の坂井って人だ。この人だけ私に話しかけてくれるからこの人は最後まで残してあげよう。無論、このクラスの最後までね?この学校全員殺してる間に警察に言われるからね。まあ言われても殺すだけだけど。


「知ってるよ。屋上にいる」


「ほんと!?ありがとう!」


その女は屋上めがけて歩いていった。

さてと、そろそろ授業の始まり。次は担任の先生の数学の授業、だけどもうそいつはいない。だから誰も来ない。楽しい楽しいパーティーの始まりだよ。


ガタッ


私はシーンとなる空気の場でいきなり立ち上がった。

みんなの視線がこっちに向く。

私は外の扉に机を並べてつっかえ棒のようにはめた。これで簡単には抜け出せない。窓は大丈夫。ここは4階。簡単に飛び降りれない。


「森川さん何やってんの?」


どこからか男の人の声が聞こえた。

何って?あんた達を殺す準備だよ。

私は無口でその男に近づいた。



グサッ


「え…?」


その男の胸部分にナイフを突き刺した。

男は座ったまま倒れ、やがて息をしなくなった。


キャアアアアァァァァ!!!


隣りにいた女が叫んだ。うるさいな、叫ぶなよ!


グサッ!


「に、逃げろ!」


みんなが立ち上がって扉に向かう。でも外からつっかえ棒のように抑えてるから空かない。逆の扉にを開けば出れるのにみんな混乱するから同じ扉を開けようとする。

これを涼夜君に見せたらどんな反応するだろうなー。

フフフ…


私は怯えている人たちを次から次へと殺した。

何度も同じところを刺したり、ナイフを投げて見事に命中させたり、徐々に切って痛みを味わえさせたり、いろんな方法で邪魔な分際を片付けた。


タッタッタッタッ


誰か来るな。隣の先生か、さっきの坂井か。


「何の騒ぎだ!」


2組の先生か、邪魔なんだよ


グサッ


「な…に……を…」


もう必要ないんですよあなた達は。

私は隣のクラスに入った。そのクラスの人は何?と言う顔をしている人がほとんどで誰も今さっきここの先生を殺ったなんて思う人はいなかった。

さあてと、楽しいパーティー第2弾と行きますか。


グサッ、グサッ、グサッ、グサッ


楽しい!楽しい!こんなに楽しいことがあったなんて今まで考えなかったことを後悔するぐらいだよ!

私は廊下に出る奴らも逃がさずに仕留めた。

そして私は1組を殺り、次に4組5組とそれぞれ片付けた。

先生をその間に何人か来たけど綺麗に掃除した。

さてと、後は4組ある1年かな、その次に5組ある3年、そして先生。思うとこの学校は生徒数がとんでもなく少ない。それでよく廃校にならないもんだ。でも殺りやすいから嬉しいな。

私は階段を下がり3階へと移動した。ここは1階が職員室とか会議室とか、2階は3年、3階は1年、4階は2年という構成だ。


1年は順番に1組、2組、3組、4組、3年は5組から順番に片付けた。


ふぅ……やり始めたのは1時、1時間で生徒は全員片付けた。あ、でも坂井ってやつが残ってたか、あいつは後ででいいや。

私は職員室へと向かった。

外から中を除くとほぼ授業していない先生全員が職員室にいた。


ガラッ


先生たちの目線が一気にこっちに来た。


「どうした?具合が悪いのか?」


一人の先生がこっちに向かってくる。

普通に殺すのもつまらない。しかもこの先生やたら涼夜君に注意する嫌な先生だ。簡単には殺させない。

向かって来たので私はいきなりその先生に倒れる演技をした。周りから見ると私が倒れただけに見えるが、実際はその先生にあのぶつを刺している。


「何やってるんだ!お前は!」


その先生は私を突き飛ばした。私は後ろに突き飛ばされ、棚にぶつかり私は倒れ込んだ。


「先生!?いきなり倒れた生徒を突き飛ばすとは何事ですか!?」


教頭先生が立ち上がって怒鳴る。

教頭先生は女の人なのだ。厳しいため先生の中でも恐れられているだとか。


「違くてこの生徒が、自分の事を!」


「グズ……ゴホゴホ…ぁ……」


とことんこの先生の人生をぐちゃぐちゃにさせてあげよう。この先生は殺すのはもったいない。人生をめちゃくちゃにさせた方が殺すより楽しい。

私は演技を続け、棚にぶつかった衝撃で落ちたハサミを私の腹に突き刺した。持っていたナイフはカバンの見えないところに締まった。腹に突き刺さるぐらい涼夜君と比べると浅い浅い。このぐらいで痛いとか言ってたら涼夜君に合わせる顔がない。その行動はその先生に見られていたが教頭に見せればこいつはクビだろう。


教頭が来たのを見て、私は突き刺さっているハサミを見せた。


「ッ!!あなた!生徒になんて事を!」


「違う!これを見てください!」


「返り血を出させるほどに傷をつけたのですか!?」


「違います!この生徒は私にナイフを突き刺し、自分で落ちたハサミを腹に突き刺したんです!」


「あなた…なんという言い訳を……先生、あなたは今すぐここを出ていきなさいクビです!裏門からでいいですから今すぐ出ていきなさい!!」


「クソッ……許さねぇ…」


と言いながらその先生は荷物を持ち、颯爽と出ていった。


「ゲホッ…ゲホッ…」


私は演技を続けたがもういいだろう。あの先生も出ていったし、後は残ってる先生を片付けるだけ。


「あなた大丈夫!?保健室に連れていきましょう」


「必要ありません…」


「え?なんて?」


「必要ないんですよ、もうあなた達は」


私は腹に刺さったハサミを抜き、そのハサミを手から離し、カバンからナイフを取り出し教頭の肩に突き刺した。


「あぁぁ…あなた!本当に!」


「あぁあ、あの先生の事本当だったのに…信じてあげなかったからあの人の人生めちゃくちゃになっちゃったよ?まああなたは後悔しなくていいよ。だって後悔させないもん」


グサッ


あと18人


「お前!何やってるんだ!」


うるさいよ


グサッ


あと17人


「抑えろ!なんとしても!」


5人ぐらいの先生が一気に襲いかかってきた。


「涼夜君のために行動してる私を邪魔するって事は涼夜くんの邪魔と一緒だから死んでよ」


グサッグサッグサッグサッグサッ


私は一旦捕まるもののナイフで手を切り、その間に掃除した。


あと12人


隅で小さくなってる先生をブスり。

電話を持ってる先生2人をブスり。

懲りずに私の元に来る先生7人をブスり。


残りは校長と坂井って人だけ。

校長か…

そう考えてたら不意に口元がゆるんでいた。

何故ならここの学校の校長は私のお父さんなんだから。

実の父親を殺すとか楽しそうで笑ってしまう。

私はそう思いながら校長室に入る。


「何のつもりだ。ノックもせずに入ってくるなど……って詩織…か……?」


この凄くヒゲが濃くて髪が白髪になり始めているこの人が私のお父さん。森川工もりかわこうという人だ。もう、要はない。


「お父さん…校長室の外、職員室を見てみて」


「なんだ?」


校長ことお父さんは扉を開けて職員室の扉を開けた。

するとお父さんは凄く驚いていて


「どういうことだ…」


と呟いていた。

全く、その光景見て警戒しないところが私のお父さんだ。背中ががら空きじゃない。


「!…まさか詩織!お前……が……」


グサッ


「お父さん、私ね好きな人が出来たの。だけど振り向いてもらえなくて、そうしている間にドンドン好きになる気持ちが大きくなって、今その人は病院で入院してて、今日が退院なの。だけどみんな私が好きな人にくっつくんだよ。許せないよね、それって」


「詩織…お前は……」


グサッ


「ガアアァァァ!!」


「あ、ちなみにお父さんが大好きな人が先にいるから会えるよ?」


「まさか…母さんまで……」





「バイバイ、お父さん」




グサ……



ふぅ…残りは坂井って奴か…クラスに行けば会えるかな?


私は2年3組の教室に入った。そこには掃除した人達が倒れていた。


トコ…トコ…トコ…


来たな。


ガラッ


「え?森川さん?……ッ!!それって!」


「坂井さん、どこいってたの?」


「え…?あ、そうそう、屋上で先生が死んでて…ずっとそこで座り込んでて…そして裏の方見たら小林さんたちも死んでて…」


「それで歩けなかったのね…」


「そう…森川さん、全部あなたが…?」


「そうだよ?この学校の中ではもう、私とあなたしか居ないの」


「嘘でしょ…?校長先生、森川さんのお父さんも!?」


「今さっきね、あ、でも休んでる人も数えて私とあなたと、涼夜君だね!」


「そんなの…酷いよ…」


「じゃあ……」


グサッ


「え……」


「死んで」


グサッ


「邪魔な人たちはもう全員掃除したから安心して眠っていいよ、きっとみんないるから」


「ゲホッ……」


坂井は腹を刺され、うずくまった。

私はもう1度振舞わせてあげた。坂井は息はしているもののもう時期死ぬ。私はすべてやり遂げたので、涼夜君の元へ行こうと歩き出した瞬間足に何か感触があった。

足の方を見ると、坂井が手で私の足を掴んでいた。

邪魔な、まだ生きてたのか…


「なんで……」


私は涼夜君の邪魔するヤツはいなくていいって思ったの。だから…ね?

私は坂井の腕や足を刺したりした。やがて力が無くなり倒れた。

これで、掃除完了。

やったよ!涼夜君!今行くからね!


ドスッ


その時また足に感触があった。

後ろを見ると膝をついて私の足にしがみついている坂井だった。

まだ生きてるの?


「行かせない…この学校に…あなたと……私しか…居ないなら……私が……ここで……止めないと……」


うるさいな、邪魔なんだってば。


グサッグサッグサッ


私は腕、胸、腹とナイフを3箇所に刺した。


「……行かせない…」


だが、驚いたことに坂井はまだ生きていて、ちゃんと意識もある。

なんで?ちゃんと心臓を刺したはず。なんて生命力なの?


グサッグサッグサッグサッ


私は首と心臓、2箇所を2回ずつ刺した。

これで……これで……


「…だ………め………」


嘘でしょ?まだ、まだ生きてるっていうの?心臓は潰れていると言っても過言ではないほどに刺した。首だって死ぬほどに刺した。なのに、まだ生きてるの?


「……あなたはいつしか私の事を応援してくれた。涼夜君と上手くいくようにって、嬉しかったよ。そう言ってくれた時。でも、私は決めちゃったんだ。待っててよ、後でまた来るから」


私は殺意の奥の笑いを見せて、言った。

その後、私はもう1度胸部分に突き刺した。

ようやく、力が無くなり息をしなくなった。


はぁ、笑顔を見せたら死んでくれた。なんて、単純。

私は笑いながら、涼夜君の元へ向かった。ちゃんと服も体も綺麗にしてから………




「よっしゃぁぁ!読み終わったぁ!」


僕は暇つぶしのライトノベルをようやく読み終わり、背伸びをした。

時間は3時結構ゆっくり読んでたからこんな時間までかかってしまった。暇つぶしにはいいな、本はやっぱり。

そろそろ退院か、4時ぐらいにこの病院とおさらばだ。アニメも見れる!これで!学校……はどうでもいいや。とりあえずあと1時間森川って人が来ない事を願おう。


「1時間早いけど退院おめでとう!涼夜君」


あ、医者だ。

仕事中なんだろうけどわざわざ来てくれた系のやつか。


「ども」


とりあえず返事をしとこう。


「それを言いたかったんだ。じゃ仕事大変だから私はこれで行くよ。準備をして待っててくれ」


医者はそう言って去っていった。

案外優しい病院だったのかもな。おかしい人はいたけど…例えば同行願いますとか……まあいいか、準備も終わったし、テレビでも見てるか。


「涼夜君!退院おめでとう!」


ハイキター見事にフラグー

出た、出たよ、出ちゃったよ学校どうしたんだよ。


「学校?学校は、もういいんだよ」


だからなんで僕の思ってること分かるんだよ。怖いわ。しかも学校もういいとかどうした?不登校にでもなったか?僕には関係ないが。


「涼夜君…花どうだった?」


花?あーあの花びら多くね?って思ったやつか…

どうでもいい。

僕はテレビを付けて、面白くないアニメをただただ見ていた。残りの1時間はこれで時間を潰そうと思ったからだ。

ポカモンがやってる…ってこれ毎日やってんのかよ、アニメとしてはすげぇな。



涼夜君…アニメに夢中になってる…やっぱり可愛い…涼夜君渡した花の花言葉分かってるのかな?

1日目に持ってきたスノードロップは《あなたの死を望みます》で、2日目のキスツスは《私は明日死ぬだろう》で、今日の朝持ってきたクワは……


《共に死のう》


なんだよ。


私はナイフをカバンから取り出す。

涼夜君、一緒に居よう…いつまでも、ずっと…


グサッ


「ぐはぁ……」



なんだなんだよなんですかぁ?

今背中に猛烈に痛みを感じたんだけど…僕は背中を触ってみる。

え…血?

まさか森川ってやつが……

僕は森川ってやつの方を向くと見事に予想外当たってしまった様だ…


「涼夜君…持ってきた花言葉全て教えてあげる。1日目、スノードロップ《あなたの死を望みます》。2日目、キスツス《私は明日死ぬだろう》。今日クワ《共に死のう》」


まじかースノードロップ合ってたーっておいおい、やばいってぼく殺される、やめてやめてアニメ見れない!


「一緒にいつまでも一緒に居ようよ、涼夜君…」


うわーこえー…助けてくれよ誰か。




私は涼夜君の背中にナイフを刺したあと、心臓部分にナイフを刺した。


「あ………ぁ……」




ちょっと待って、ホントに死ぬ…やめてくれ……


「涼夜君、いつまでも一緒だよ…」


グサッ…







***********************


昨日さくじつ時間不明、七星高校の全生徒792名とその教師28名が全員殺させるという大事件が発生しました。犯人は《森川詩織》17歳、ここの学校の生徒で校長先生に当たる人の娘だということです。他に森川容疑者がやったと思われる死体が家の中に袋に詰めて置いてありました。森川ひとみ47歳と木山礼子きやまれいこ45歳どちらも生徒の親だと思われます。森川容疑者は昨日の夕方、病院の病室で、亡くなっていることが確認されました。その場所にいた理由など警察が捜索中とのことです』


「傷が浅くてよかったなぁ」


「ホントに、生きてるのが不思議なぐらいだよ」


「まあ、病院だったからすぐに治療できたのが不幸中の幸いだったなアッハッハッハ」


「今回ばかりはありがとうだな…」


「今日からまた病院生活、楽しんでくれ」


「それはゴメンだ」


「でも、大丈夫か?お母さん殺されたんだろ?」


「大丈夫、僕は三次元には興味が無いから」


「ハッハッハ、強いやつだ」


あれから僕はまた同じ病院に入院することになった。

医者とは結構話すようになるほどにまでなってしまったようだ。

心臓部分に傷があるので浅いとは言え、結構難しいらしい。でもこのおかしな病室ならなんとかなるだろ。


正直森川ってやつはとんでもなくやばい奴だったとは思っていた。だけどここまでとはな…学校の人全員殺すとか普通考えても行動出来ねぇよ。

僕はこれでもう二度と三次元には触れないと固く決めた。



まあ、ここの病院は別だけどな?ハハハ


なんだ何だで僕は今日も病院生活を送るってわけだな…アニメを見させてくれ。と願いながらも1日1日過ごすのだった……


『速報です!学校の中から殺されたと思われる生徒が1人だけ生きていました!名前は坂井友紀さかいゆきさん。何ヶ所も刺されていましたが、心臓部分の傷は肋骨に当たっていてぎりぎり一命を取り留めたという事です』


「誰だ?同じクラスなんかな?」


「あ、坂井君か。この病院で治療したぞ?特別医療室に居る、見に行くか?」


「やめとく」


「そうか、あの子13回も刺された傷があったんだけど生きてたんだ。すごい生命力でビビったよ」


「普通医者がビビるとか使わねぇって、って13回刺されて生きてるとかバケモンだろ、ゴキブリ並だぞ」


「それじゃあ私はこの辺で失礼するよ、坂井君の様子も見に行かないといけないからねハッハッハ」


僕は思った。

二次元で起こる事と三次元で起こる事、二次元の女子と三次元の女子は全くもって違うことを……

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2次元と3次元の違ったところ 僕に告白してきた女の子は… でぃーず @Deeds_another

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