無理
経済学の歴史についてのテレビの番組を見た。
ケインズの説とか大恐慌とかバブルの崩壊とか大いに勉強になった。
現代の学者も何人も出てきた。
これから先の世界経済の予測が可能かという設問だったが全員が「まったく予測不能」と答えていた。
物理学の方で「不確定性原理」というのがあるが、あれとは趣意がちがうのだろうが皆、自信満々に言うので、この頃、流行りだしたなにか一つの経済学の法則なのではないのかと思った。
ついでに、不確実な学問ということで言うと、地震学という分野がある。地震の予知がまだ無理と聞いていたので、大きい地震の起きた直後のテレビに地震学者が出てくるのを、何しにでて来た、被災者は後片付けに大わらわな時に、今回のこの地震の起こったメカニズムの解説なぞ被災者もだれも聞きたくもないし、第一、予知が出来てはじめて地震学は学問を名乗るべきではないのか。
などととても地震の研究をしている人の前では言えぬような感想を持ったものだ。
しかし、地震学にしろ経済学にしろ、そう発言をしている学者に悪びれた様子はない。いや、テレビに出てくるようなタイプの学者だから元々自省心がないのかもしれないが。
日頃から内心、地震や経済は今現在の現象を扱う学問ではないのか、という思いがあるから、つい本人の前では言えぬ感想を持ってしまうのだ。
学問、大学などの研究とは、すぐに実利を求めるべき性質のものではないことは特に、いわゆる文化系の学問の成果などは、無用の用なるものと心得、端からなにも期待すべきではないと、それは私もわかっているし、世間もまた、その辺は諒解している。
しかし、実学と言うべき、地震学(正確に言えば地質学か)には確実な予測、経済学には安心できる経済理論を打ち立ててほしいものだ。
と言いながら素人考えでも、なんだかどちらも人間の知恵では無理な気がするのは私だけであろうか。
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