出自を忘れる

大きな岩がある。

その岩の表面をハンマーで叩く

当たったところから破片が飛び散り

下が砂地なら、破片は砂に混じり見分けが付かなくなる

小さな破片たちが下から大きな岩を見上げるとき

もはや自らの出自を忘れ、つまり、ついさっきまで

自分が大きな岩だったことを忘れ、じぶんもあんな立派な岩になりたいと

憧れる

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