視界をよぎるあれこれ

 黄色い蝶々が右から左へ走った。黄色だと分かったのはあとのこと。ただ何かが目の前を通り過ぎたとだけ。点の動きを感じただけ。それが今度は左から右へ。

雑木林の端の大きな木の影に止めた車のフロントガラスから見える、動いているものである。

 点が一つかとおもっていたが実は2匹が絡み合いながらだった。

色は黄色。

遠目にはごく小さなサイズのような気がしていたが目の前を通り過ぎるのを見ればモンシロチョウくらいの大きさがあったのは意外だった。そういえばこの頃モンシロチョウをあまり見かけないな、などと思っていたら次が来た。あれは動きが蝶々とは違うなと見ていたらトンボだった。

 またその次が来た。これはなんだか大きくてややこしい動きをする。

黒のアゲハチョウだった。

二匹連れがまた現れた。アゲハを見た後なのでずい分ちいさく感じる。二匹が車のフロントガラスに体当たりしてきた。透明なので何もない空間と勘違いしたのだろうか。この勢いは蝶々やトンボとは違う。

 小鳥だった。こんなにちいさい鳥がいるのか。あまりに動きが速いのでどっちに飛び去ったのかさえ分からない。まったく目が追えなかった。

まだ何か周りに他に飛んでいる生き物はいないかなと、目玉だけを左右に動かすと点のような線のような模様が見える。いつからかははっきりしないが、ときどき見える模様だ。その模様をじっと確かめようとするとどちらかの視界の端に逃げていく。目の老化現象だろう。これは自分の目玉のなかのできごとである。

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