#14
6
「め、メンドクサイって、七香サン…」
「だってもうこんな時間よ?」
「あの、少しは自分の危機を考えては…」
「あのね、すごく不思議なことがあるんだ。」
「は?なんでしょうか?かなり真実を忠実に信じてもらえるように伝えたつもりなんですが…」
「不思議っつーても自分のことなんだけど」
「はあ」
「ジョーくんは確かに地震当てたりすごかったよ、けどね、それくらいのことって言っちゃなん
だけど…」
「地震予知がそれくらいのことですか?」
「あたしにとってはなのよ」
「七香サンにとっては?」
「普通の人なら多分、ここまでくるとそら大変だって言う通りにするでしょうけど…」
「七香サンはこれくらいのことでは動かない、と?」
「うん。だって地味じゃない、地震予知だとか。
そりゃ信憑性は高かったけどね。
こっちとしては目の前で何か起こして欲しい訳よ。
アンタが未来からタイムマシンでここに乗りつけるとか…
そーいう、ありえないこと、超常現象とか、超能力とか、突拍子の無いモノを目の当たりに
しない限り、アタシはテコでも動かないもの」
「……地震予知も似た感じだと思いますが。…ってことは…?」
「そ。そんなアタシなのさ。明日のアタシだって同じ理由で、メンドクサイって確実に言ったはずよ」
「………」
「そんな決定打が無い限りアタシは動かないわけ。ってことはよ?
そういった決定打でアタシをその気にさせないと今までの話は全てオジャン。
いくら地震予知が世間ですごいことだと言われてようと、アタシにはハイハイそれで?って感じ」
「って言われても…」
「明日だろうが明後日だろうがアタシの思考は同じよ。だとしたら同じ時間並列上?のアタシと
アンタのパイプは除去される。だとしたら全部その場での作り話じゃない。
弟も。双児も。明日からってのも。
だってそうじゃない、アタシは動かないんだから」
「………」
「もっとアタシをさ、本気で信じさせる気があるなら度を超えたビックリを持ってきなさい!!
今喋ってるアンタは現在のアンタじゃない保証がない!!
以上!反論無いなら電話切るよ!」
「……え?」
「あ?なにさ」
「ああ、なあんだ。そういうことか」
「な、なに?なんなのよ」
「これで全て、分かってもらえます」
「…何かしら?期待出来るかな?」
「まずボクらが姉弟であることの証明が成り立ちます。
そのことで地震予知の信憑性もさらに完璧なモノとなり、明日の存在を確信してもらえる
ことでしょう。もう、完璧です」
「なになに?」
「初め、七香サン、『キャッチかな?』って言ってましたね」
「……言ったっけ…?それが?」
「それに今『電話切るよ』とも」
「………言った…けど?」
「何か勘違いしてませんか?」
「………は?」
「ボクら双児でしょう?」
「…それは証明出来てからの話よ」
「双児ってね、脳内で意思疎通が交せるって知ってません?」
「………」
「脳波を使って自分の意志を相手に受信送信させるんです」
「………」
「そうやって話す能力をパスと言います。俗に言うテレパスというヤツです…」
「………」
「知らないですか?テレパシーを?本当に分かってないのならあなたは何か勘違いをしている」
「………」
「いいんですよその電話置いちゃって」
END
Probatio Diabolica(悪魔の証明) ユーキチ @yuukichi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Probatio Diabolica(悪魔の証明)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます