第59話 汝恐怖に備えよ
上か下かさえ分からないような暗闇の中。あたり一面に
自分ことクロードはその真っただ中を駆け抜ける。
隙あらばと休む暇もなく襲い掛かる
双剣で切り裂き、
素手で叩き潰し
つかんで床にたたきつけて。
ちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返すが、
そしてまた自分の前にまた三体の
■■■
【Name】ゾンビツリー
【Race】植物亜種 (魔物)
【Sex】なし
【Lv】178
【Hp】2220
【Mp】0
【Sp】0
【ATK】1780
【DEF】2220
【AGI】187
【MATK】187
【MDEF】187
■■【職業(ジョブ)】■■
【使い魔】
■■【スキル】■■
<
【
<
【物理耐性】Lv,4
■■【称号】■■
【
■■■
■■■
【Name】フンババ
【Race】大型獣 (魔物)
【Sex】男
【Lv】156
【Hp】1650
【Mp】1650
【Sp】0
【ATK】1650
【DEF】1650
【AGI】2050
【MATK】1650
【MDEF】1650
■■【職業(ジョブ)】■■
【使い魔】
■■【スキル】■■
<
【加速】Lv,5
【威圧】Lv,6
■■【称号】■■
■■■
■■■
【Name】オクトフラワー
【Race】植物 (魔物)
【Sex】なし
【Lv】189
【Hp】2080
【Mp】2080
【Sp】120
【ATK】1980
【DEF】1980
【AGI】1980
【MATK】1980
【MDEF】1980
■■【
【使い魔】
■■【スキル】■■
<
【並列思考】Lv,4
<
【威圧】Lv,4
【再生】Lv,3
【水耐性】Lv,3
■■【称号】■■
■■■
牛のような
負けじと8つの花を持つ植物が攻撃を仕掛けてくるが、全部躱してすべての花を握りつぶす。
その時、『枝』が体を貫通した。
今まで戦況を見守っていた巨木型の
しかし、
「残念」
体は光り輝き、閃光とともに跡形もなく吹き飛ぶ。
枯れた木はよく燃える。自爆によって巻き込まれた哀れな巨木は、火に包まれのたうち回った後そのまま力尽きた。
「キイ! キイ!」
屠ることができたと喜んだのだろう、猿のような
……それが遺言となることを予想できただろうか。
あらためて大きく叫ぼうと口を大きく広げた瞬間、喉の奥から剣が生えてきた。
「……これで、156体目」
腕から頭、胴体、最後に足を出して自分はその場に再度姿を現した、先ほど爆発したのは分身体だ。
「嫌になる」
短剣を片手で遊ばせながら、周囲を一瞥する。
どこから湧き出ているのだろう。この広場に入ってからすでに一刻、今だに終わりの見える気配がない。
さながらこの場は人間の立ち入ることのできない、魔物が跳梁跋扈する百鬼夜行のど真ん中。目の前には小さな光が
いったい何が悲しくてこんな経験値マラソンをしなければならないのか、同じパーティーの賢者様はさぞかしLv《レベル》が上がったことだろう。
息つく暇もなくまた後ろから
■■■
【Name】ムーティッヒ・ベアー
【Race】大型獣 (魔物)
【Sex】男
【Lv】235
【Hp】2840
【Mp】0
【Sp】0
【ATK】2840
【DEF】2840
【AGI】3340
【MATK】2840
【MDEF】2840
■■【
【使い魔】
■■【スキル】■■
<
【
【
<
【爪術】Lv,5
【威圧】Lv,7
【物理耐性】Lv,8
【魔法耐性】Lv,8
■■【称号】■■
【森の番人】
■■■
「これはこれは……」
なかなか歯ごたえのありそうな敵だ。
熊の姿に似た
しかし熊は首をひねりそれを躱す、結果として自分の剣線は首を切断できず肩を少し切り裂く程度で終わった。
「やるな」
すかさず懐からナイフ数本を取り出し、熊に投擲する。
敵はその右腕を一振りしてナイフを弾き、そのまま再度自分との距離を詰めようとした。
しかし、その右足は動かせない。熊とは別にクマの陰にナイフを打ち込み、【影縫い】を発動させたのだ。
「まず右足一つ」
ナイフを補充し、今度はこちらから熊に向かって走り出す。
どうあがいても動けないと悟ったのか熊は腕を振り回す、その威力と鋭さが相まってその斬撃は爪を離れこちらへと飛翔する。
斬撃の雨を避けに避けて熊の足元にまで到着する。
自分の双剣と熊の双爪、まるで殴り合うかのように何合か打ち合い、そのたびに火花が散る。
熊も頑張っているが、ステータスの
遂に隙を捉え、一撃を入れようとしたその時。
「……!」
上から気配を感じてその場を離れる。
瞬間、根がまるで雨のように地面に突き刺さり、一瞬にしてその場を何もない岩場から密林に変えてみせた。
すさまじい威力だ、正面から受ければ自分でもただでは済まないだろう。
「敵も味方も関係なし……か……」
林の所々に胴体を貫かれ、四肢を地面縫い付けられながらも必死に足掻いている熊が見受けられる。
なまじLv《レベル》が高いので死にきれなかったのだろう、浮かべる苦悶の表情が自身の身に起こった想像を絶する苦痛を物語っていた。
「……」
戦いを邪魔されたという憤怒を抑え、意識を集中し短剣を鋭く振るう。
それだけで斬撃が跳躍し、目の前に広がっていた太い根を、まるで草でも斬るように片っ端から刈り取っていった。
最後の情けに、足掻く熊にとどめを刺しながら呟く。
経験値は全く入らないが、見ていてあまり気持ち良いものでもない。
後ろから圧を感じる、気配の量は止むことを知らない。いや、むしろ増えているようにも感じ取れた。
「全く、いい加減にしてほしい」
襲い掛かる
ここに来てからもう5体も分身体が消滅した、これがギルドで正規に組まれた捜索隊だった日には、その被害は数えることすら億劫になっただろう。
この場にいる
「敵も味方も守るべきものたちも、契約したものまで食いつくそうとしている。それでもまだ足りないか」
この場にいない『奴』に皮肉をぶつける。
「何が『神』樹だ。私より人間らしい欲まみれの俗物じゃないか」
このままは終わらせない。
人間は何か困難な状況に発生したとき、それを何らかの形で後に続くものへ残そうとする。
後世の人々にそれら伝え、打破してもらうためだ。ダンジョンで無念の死を遂げた『ユグドラシル』然り、そして先ほど遺体で発見されたBランクパーティー、『アイアン・ハーツ』も然り。
ヒントは貰った、こちらも反抗させてもらおう。
「後悔するといい、私や賢者を敵に回したことを」
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