第19話 必ず誰もが持つ気持ち
あれから、自分は採取系の依頼を受ける傍ら
ただ自分自身のステータスが低層のモンスターたちに比べて圧倒的に有利だった。
これはいくらか調べて分かったことだが、この世界の人たちはLv,1で大体各ステータスが9~12ぐらいだという、そしてLvが1上がるごとにそれに9~12ずつ加算されていき個人の長所短所が出てくるらしい。
つまり自分はこの世界の人たちのLv,9くらいからスタートしたという事になる、ゴブリン相手に無双出来たわけだ。
ただ、Lvが上がった後のステータスの上がり方はこの世界の人たちと同じわけだから、勇者補正というのは『始めはボーナス付けてあげるけど、後は努力して強くなってね。』という事らしい。
「まぁ、そういうの嫌いじゃないよ。」
初めから大きな力を持っているなんて冒険をつまらなくするだけだ、そういうのが好きな奴がいるかもしれないが自分は努力して手に入れたい。
自分の力で身に着けるからこそ、その力に愛着が持てる。
「勇者補正だって大きな力だろ、と言うのならそれまでなんだけどな。」
そんなことを呟きながら荷物をまとめる。
今日は宿に泊まってちょうど一週間、そしてこの世界に召喚されてちょうど10日
王城にいる分身体の方でも人材が集まったため講義が始まった。
今日自分はこの宿をでてダンジョンの中で暮らす、そのための準備は怠ってこなかった。
■■■
【Name】
【Race】 人間
【Sex】 男
【Lv】31 (▲24)
【Hp】 400 (▲240)
【Mp】 400 (▲240)
【Sp】 130
【ATK】 400 (▲240)
【DEF】 400 (▲240)
【AGI】 600 (▲360)
【MATK】 360 (▲216)
【MDEF】 360 (▲216)
■■【
【
■■【装備】■■
【無銘の魔剣】
【無銘の魔剣】
【鉄の鎧】
【厚手のマント】
■■【スキル】■■
<
【分身】Lv,3 (▲2)
<
【偽装】Lv,5 (▲3)
【鑑定】Lv,4 (▲3)
【看破】Lv,4 (▲3)
【隠密】Lv,5 (▲4)
【忍び足】Lv,3 (▲2)
【抗体】Lv,3 (New)
【短剣術】Lv,5 (▲4)
【影縫い】Lv,3 (▲2)
【多段突き】Lv,2 (New)
■■【称号】■■
【異世界人】【冒険者】
■■■
低層のモンスター達をいくらか倒していくとどんどん
おかげさまで目標にしていた20を大きく上回ることができた。
また、【隠密】と【短剣術】とそれぞれ
そしてもう一つ、当たり前のことを忘れていた。
魔剣という事に目がいって気付くのが遅れたが、鑑定で魔剣のステータスを見ることができた。
■■■
Name 無銘の魔剣
種類 短剣 《魔剣》
効果 ATKに+50
備考 まだ進化していない名もなき魔剣。
■■■
「さて、これで大丈夫かな?」
やっと荷物がまとめ終わり、鞄の口を絞めたところだ。
ここに来たときは学生服と財布しか持っていなかったのに、今では登山に行くような大きなリュックを背負わないといけない羽目になっているから不思議なものだ。
おばさんに鍵を返し1週間世話になった宿を後にする。
そしてやってきたのはダンジョン入口。
始めはあんなに怖く見えた入り口も、一週間通い詰めれば見慣れた入り口へと変わっていく。
ただこれからはここが活動拠点となるのだ、緊張していないと言えば嘘になる。
脇道にそれて荷物の最終確認を終えたら、外の蒸し暑さからひんやりしたダンジョンの空気に変わっていくのを肌で感じながら奥へと進んでいった。
始めの頃はアリアドネの糸を使っていたが、今ではここら辺の地図は頭の中に入っている、迷う心配はない。
取りあえずまず最初に目指すのは10階にあるセーブポイント、今まで自分が深く潜った中でも5階が最高であったため、大きな目標だ。
5階以降は地図が必要だが、ギルドで売られている地図は高くて自分には手が出せない。
ないのなら作ってしまえばいいのが冒険者、金銭に乏しい新人たちは自分の地図をそれぞれ作る。
ここだけの話、実は未知の場所を探索させるとき困らないよう、冒険者たちが地図作りになれるためにギルドの地図は高く売っているとかないとか。
自分も鞄の中にペンとたくさんの紙が入っている。
自分だけのオリジナルの地図を作るのは楽しいと思う、宝箱や隠し部屋を見つけたとき、それを書いといて仲間に見せるときなんかもう最高だ。
「さぁ待っていろよ?セーブポイント。」
そう意気込みながら大きい荷物を背負い直す、背負ってもあんまり重く感じないのは自分のステータスの恩恵だろう。
ダンジョンの中は基本的静かだが、時々若手の冒険者が
このあたりの
歩きに歩いて階層は5階、このあたりからモンスターの強さが1段階上がる、ゴブリンから比較的頭のいいコボルトの縄張りとなり、そのほかにも様々なモンスターが現れる。
「グルルルルル....」
出てきたのは人より少し小さい狼、自分を敵と認識したのか激しく威嚇してくる。
自分はベルトに差していたナイフを何本か抜き狼に構える。
「ガァ!!」
狼が自分にとびかかってきたのでそれと同時にナイフを投げる。
しかし狼はそれを見て上によけた、ナイフは当たらず狼の下を通り抜けて地面に刺さった。
その瞬間、狼に変化が起きる、いきなり動きをぴたりと止めこちらを睨んでくるだけとなった。
これはスキル【影縫い】だ、ナイフやクナイを敵の影に打ち込むことで、一定の確率で相手の動きを封じる。
敵の強さや、自分のスキルの
狼の首を切って絶命させ、ダンジョンのさらに奥へと歩を進めた。。
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