となりを見たならば

作者 新樫 樹

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★★ Very Good!!

太陽の日差し、湿気を含んだ風、そして・・・月

遠い記憶と今がリンクする時、少年の心に蘇ってきたものとは・・・

陽炎の向こうに見えたのは、いつもそこにいる、当たり前の存在。

しかし、かけがえのない存在・・・

★★★ Excellent!!!

 小学生の男の子らしい、ちょっと背伸びしたい気持ちがうまく表現されていて、自分の小学校時代の夏休みを思い出しました。

 懐かしい子ども時代がすぐそこにあるような感覚に陥ります。

 主人公が友達のお母さんに重ねていたものに気づいたとき、ほろりと涙が零れてしまいました。

★★ Very Good!!

 柔らかいタッチで、小学生のオトコノコの世代らしい交流や、父を亡くしたことをきっかけに変化を強いられた環境や自分自身への、本人も気付かない思いを描く。

 子供の頃の記憶を呼び覚まされるようで、懐かしさもあった。友人。家族。そうしたものへの静かな優しい感情。
 ノスタルジアだけではなく、父の死に起因する状況というのは、きわめて現代的でもあった。

 気持ちよく読める短編で、よく書けている。文章は及第点を軽々越えているのではないだろうか。

 万人にお勧めできる清涼剤のような小説だ。



★★★ Excellent!!!

物干し竿に象徴される家族の温かさ。
それを知らず知らず求める寂しさと、その存在を確認する温かさが感じられる、素敵な作品でした。
ぼくの語りのリアリティもさることながら、タカユキやその母、そして語り手の母親など、みんな地に足のついた、しかし人肌の体温の感じられるキャラクターでとても良かったです。

★★★ Excellent!!!

綺麗だなぁ、と素直に感じました。
大切なもの、大好きなものに気づいた瞬間。夏の夜の、すこし肌に絡むような風や、そこだけひいやりと冷たげな月が目の前に見えてくるようでした。

それにしても「夏と少年」って素敵ですね。一瞬が永遠になる瞬間の枕詞のようです。

★★ Very Good!!

児童文学的な、小学校の国語の教科書に載っていそうな、そんな綺麗な話で感動しました!
脳みそに確実に残ってはいるものの、日々の暮らしに追われて記憶の底に押しやられた幼い日の、まだ世界が無限に広がっていた頃の夏休みの記憶が、優しい手で拾い上げられた、そんな感覚を覚えました。
本当に素敵なお話です!
ありがとうございます!

★★ Very Good!!

夏休みの宿題というタイムリーな話題に、ちょっと大人びた頑張り屋の主人公の組み合わせに引き込まれ、気付いた時にはバスタオル必須な状態でした。
どうしてこうも新樫さんは読者を泣かせるのが上手いのだろう。奇をてらっている感は全くない、なのに途中から文字が霞んで仕方ないのだ。
あたかも作者の純粋無垢な心がそのまま目の前に広げられたような感覚さえ覚える。きっとそれは、主人公と同期しているのだろう。

☆2つにしたのは、できればおまけ編として、主人公とタカユキ君が大人になってからこの時を振り返ったものを読んでみたいという思いからです。これからも素敵な御作品を楽しみにしております。有難うございました。