第14話 コンビニの店長

友人Mが働いているコンビニにちょくちょく顔出していると

店長さんと話すことが増え、連絡先を交換するまでになりました。


ある休日のこと

友達と買い物して夕飯を食べ家の近くまで来たところで

店長から電話がありました。


「今、仕事終わりなんだけど会えないかな?」


と。

そこで家に帰らずに会うことにしました。

店長の車に乗り、公園の駐車場に止め

他愛もない会話を1時間ほどすると

急に


「キスしていいかな?」


と迫ってきた。


「いや~それは」


とやんわりと断るも、彼の行動は止まらず

長いこと攻防戦が続きました。


彼が力尽きたのか、あきらめたのか

その日は、家の近くまで送ってもらい

事なきを得ました。


数日後、再び電話


「ごはんでもどうかな?」


と、食事に行くことになりました。


「この前はごめんね」


としっかり謝られ、

ちゃんとお付き合いしたいと言われ

お付き合いすることに。


私の彼氏になる人は

どうやら釣った魚で満足する人が多いようで

付き合い始めると、

それまで小まめに電話していたのに

急に連絡が来なくなったりしました。


店長の彼もその1人。

付き合ったことに満足したのか

連絡が取れない日々が続き

一夜を共にしたいだけの嘘だったのかと落胆していました。


友達のMにも相談して

「店長、今忙しいみたいだよ」

とは、聞いていたものの

Mと遊ぶ約束をしていてコンビニに立ち寄っても

素っ気ない態度の店長の様子を見て

不満が募るばかりでした。


ある日、コンビニに新しく入った男性スタッフの歓迎会をしていて

2次会に店長もいるからとMから呼び出されました。


新しく入った男性が、ノリの良い人で

私へのちょっかいが増えていました。

店長への当て付けもあり、そのノリに乗っていると

突然、店長が男性に殴りかかり、場が騒然となりました。


別のスタッフの子に羽交い絞めにされて

引き離されていく二人。


本来であれば、私は彼である店長側につくべきだったのですが

あまりの理不尽さに、思わず新人さんの方へついてしまい

店を後にすることに。


後日、Mが店長に聞いた話では

「(私は店長に)ついてくれると思ってた」

と肩を落としていたそう


結局、これを機に店長のいるお店には近寄らなくなり

自然消滅となりました

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こんな私も恋愛してきた 秋川 游 @yu-chikun

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