第四話 転機

 確かに馬鹿げた話だよ。

 しかし、それぐらい途方もない話でなければ、この場合は意味がないと思わないかね。 

(アルトゥール・ボルマンが科学技術委員会委員長に語った言葉)


 *


「なあ、よく考えてみたらやっぱり無理なんじゃないか?」

 帰りの新幹線の中、翔平が雄太に言った。

「佐藤さんに大見得切ってはみたものの、必要な費用は百億円だぜ。どうやったら俺達にそんな金が準備できるんだよ。しかも最低でもそれぐらいかかるという話じゃないか」

 三人がけのシートに窓際から綾香、雄太、翔平の順番で並んでいる。通路を挟んだ二人席の廊下側には康一郎が座り、気持ちよさそうに寝ていた。 

 翔平は康一郎を見る。

「例えば康一郎が本当に大リーガーになったとする。そして雄太が会社を作って大成功し、綾香がベストセラー作家になったとするじゃないか。それであれば調達できるかもしれないけれど、そこで夢が実現しても全く意味ないよな。というか、その時点で夢が実現しているような気がするんだけど」

「そうだね、それに費用を半年以内に準備できないと辛いよね」

 雄太が普段の彼の調子でそう言ったので、翔平は目を見開いた。

「お前、だから平然とした顔でさらっとハードルを上げるなよ。そもそも無茶な金額設定なのに、なんで時間制限なんかするんだ?」

「だって、僕達は今年、受験準備を始めなければいけないじゃないか」

 雄太がやはり平然とした顔で言う。その隣から綾香が補足した。

「もうすぐ四月だから、半年後だと十月だよね。それでも少し遅い気がするけど、確かに他の事をやっている余裕がなくなるのはその時期からだと思う。推薦が決まっていたら康一郎君は問題ないと思うけど、私達は駄目だよね。やりたくても周囲がそれを許さないんじゃないかな。受験準備が始まってしまえば、そこから半年は動けないし、高校進学後は今のように頻繁に集まることはできないよね。だから、何かするには今が締め切り間際なのは確かなんだけど――」

 そこで綾香は雄太のほうを見る。

「――私も確かに半年で百億円を準備するなんて無理じゃないかと思う。何か方法は考えてあるの?」

 雄太は新幹線のシートに背中を預けて、心持ち上のほうを見つめていた。そのままの姿で綾香の問いに答える。


「まあ一応は準備してある」


 翔平は右の眉を上げて言った。

「お前のことだからそう言うと思った。でも、半年で百億円だぜ。普通の方法では無理じゃないか? まさか、日本銀行を襲う計画を準備してあるとか、そういう話か?」

「違うよ。それじゃあ犯罪者じゃないか。お金があっても夢の実現には使えないよ」

「じゃあ、どうやって準備するつもりなんだよ。ここまできてしまった訳だし、そろそろ俺達に教えてくれてもいいじゃないか。そもそも、今回の計画でお前は後出しがひど過ぎるんだよ。みんなにアイデアを募集した時点で、ここまで見通していたんじゃないのか。俺とお前の仲だから正直に言うけどさ、夢の実現のために佐藤さんを利用したのと同じように、俺達も利用されているんじゃないかって思うことがあるんだ」

 翔平がそう言ったので、綾香は驚いた。雄太のことを信頼している翔平がそんなことを考えているとは思わなかったからだ。

 一方で、彼の言葉に深く頷く自分がいることを綾香は自覚する。確かに雄太が自分一人でコンテストに応募しても、この流れは変わらなかったのではなかろうか。

 コンテストに連名で応募した理由が分からない。しかも、表に名前が出ることを固辞した翔平を説得してまで、名前を載せた理由が分からない。 

 綾香はぽつりと言った。

「……私も翔平君と同じ考えだよ。別に雄太君だけでよかったんじゃないかな」

 三人席に沈黙が落ちる。隣り合っているのに距離が離れているように綾香は感じた。


 その時、通路の向こうから、

「そんなに複雑な話じゃないよ」

 という声が聞こえてきた。

 見れば康一郎が目を覚まして、天井を見上げていた。

「最初に雄太はちゃんと言ったじゃないか。みんなと一緒にやりたいことがあると。それに今回の件だって、雄太だけに任せていたら上手くいかなかったと思うよ。そりゃあ黒幕は雄太だけどさ。対外的な切り込み隊長を翔平が勤めてくれなかったら、雄太は自分から切り込むことになる。それは雄太の性格からいって無理があるんじゃないのか。大筋は確かに雄太が考えたけど、細かい部分について参謀の綾香が検討してくれないと、雄太が一人で全部考えることになるよね。それじゃあ戦さんとウェンディさんが納得してくれなかったと思うよ。そして俺が旗振り役として汗を流す。俺も最初のうちはそのことに疑問を感じていたんだけどさ。ほら、野球ってレギュラーメンバーだけが活躍しているわけじゃないよね。監督がいて、コーチがいて、そして決して表には出ないけれど、常にチームのコンディションを最高の状態に保つために、マネージャーがいるじゃないか。一人だけスーパースターがいるチームや、レギュラーだけが一致団結、粉骨砕身で努力しているけどバックアップがいないチームは、恰好よく見えるけど土壇場に弱いんだよね。バックアップがしっかりしているチームが最終的には優勝するんだ」

 そして、康一郎は三人のほうに顔を向ける。


「それに雄太は寂しがり屋だから、一人でこんなことは出来ないよ」


 その康一郎の言葉に雄太が盛大に赤面したので、翔平と綾香は驚く。

「なあ、言った通りだろ。だから俺は全力で旗を振ることにした。だって、全力で旗を振ると面白そうじゃないか。どこまで行くのか結果も見てみたいし。それより何より――」

 そこで、急に康一郎は真顔になる。

「確かに俺は何十年か先の自分に問いかけたい。今の俺はこんな夢を持っているが、お前はどうなんだ。何か胸を張って答えることができるのか、と。そして、それがあれば俺は頑張れそうな気がするんだ。これは雄太の夢のためではなくて、俺の夢のためでもある。それに、どうせならばど派手に打ち上げたほうが楽しいじゃないか」

 そう言って、最後に康一郎は笑った。

「……ごめん。俺が間違っていた」

 翔平がうな垂れて言った。

「話が大げさになるにしたがって、俺は自分の出来ることが少ないと思って、いらだってしまったんだと思う。確かに、俺だって雄太の話を最初に聞いた時に面白いと思った。未来の自分に、ちゃんとやっているのかと問いかけたいと思った。そうじゃないと俺みたいな半端な人間はまともな人生を送れないような気がしたからだ。だからこれは俺の夢でもある。それに、康一郎の言う通りだよ。雄太一人じゃ話が全然進まないよ。話が回りくどいからね」

 そして、翔平は最後に顔を上げて言った。

「それに、こんなに馬鹿げたことを出来るのはこれが最初で最後のことだと思う。だから付き合うよ」

 綾香は三人のほうを見つめていた。

「私も謝る。ごめんね、変なことを言って。康一郎君と翔平君が言った通りだよね。最初の時、雄太君は私達のアイデアをちゃんと聞こうとしたし、自分のアイデアを強制することもなかった。嫌ならば嫌と言えたし、そうしたら雄太君は計画を実行には移さなかったと思う。誰か一人が欠けてもそうだったと思うよ。四人が揃ったから、雄太君は始めたんだよね。だから、私も最後まで見届ける責任があるんだ。それに、細かいところを考えるのは楽しかった。自分がどこまで出来るのか試したいとも思っていた。ただ、戦さんとウェンディさんが登場して、佐藤さんが協力するといったところで、もう自分が出来ることは何もないと思ってしまったんだと思う。でも、私達にはまだ最後の難関が残っているんだよね」

 綾香は目を細めて笑うと、最後に言った。

「じゃあ、時間も限られていることだし、張り切っていきましょうか」


「みんな……有り難う。この四人が揃って、本当に良かったと思う」


 雄太の声が湿り気を帯びている。

 彼は天井を見つめて涙を流していた。三人はその姿を微笑みながら黙って見つめる。

 四人の夢は時速三百キロ近いスピードで、福島県内を疾走していた。


 *


 子供達が去り、スクリーンから二人の顔が消えた室内には、空気が澱のように沈殿していた。

 佐藤は窓際に立ち、外を眺めていた。そこに、子供達をホテルの玄関で見送った加賀山が戻ってくる。彼女は窓際で立ち尽くす佐藤の姿を見つめると、言った。


「貴方は馬鹿です」


 佐藤がその剣幕に驚いて振り返る。見ると加賀山は眉を寄せていた。

「どうしてあんな約束をしたんですか。そもそも、彼らを諦めさせる役目をわざわざ買って出たはずですよね。それなのにどうして自分から重荷を背負いにいったんですか。私には理解できません。百億円なんて、中学生がどう頑張っても準備できるはずないじゃありませんか。出来ない夢を見させるなんて残酷だと思わなかったんですか」

「……」

「恰好つけて約束するのが大人の役割じゃありません。出来ないことは出来ないとはっきり言うのが大人の仕事です。壮大すぎる夢は持ち主を潰します。出来ないことに力を注いでも、残るのは敗北感だけです。それなのにどうして――」

 佐藤はそこで静かに右手を挙げた。

「有り難う。君の言う通りだよ。ちょうど私も同じことを考えていたところだ。俺は一体何をやっているんだとね。まあ、座って話をしようじゃないか」

 そう言って佐藤が窓際の席に腰を下ろしたので、加賀山は入口側の席に座る。

「確かに彼らが資金調達に成功するとは思えない。親が資産家でもない限りあり得ないだろう。しかも、この計画は経済的な見返りを生むことはないから、損得勘定が成立しない。これでは企業のバックアップも考えられない。後はどこかの酔狂な金持ちが有り余った資金を提供するぐらいかな。そんなことは小説でもご都合主義がひどすぎて、話にならないよ。だから、彼らが失敗する可能性のほうが高い」

「なのにどうして――」

「まあ、話を聞いてくれないかな。それを考えながらぼんやりと外の景色を眺めていたんだけれど、その時にこんなことを考えた」

 佐藤は窓のほうを向く。

「この眼下の景色を金額に換算するとどのぐらいになるのだろうか、とね。もちろん正確な数字は分からないけれど、とてつもない数字になるはずだと思う。ただ、一つ一つに巨大な資金がかかっているわけではないよね」

「……確かにそうです」

「それでも東京という町全体で考えたら、巨大なものになる。彼らが考えているのはそれじゃないだろうか」

 佐藤は加賀山に向き直って言った。

「帰り際に清宮君から渡されたものがある」

 そういうと佐藤は胸元から折りたたまれた紙を取り出した。丁寧に折り目を伸ばすと、それを加賀山のほうに滑らせる。

 加賀山は目を落として、その紙に書かれているものを見た。

 URLだった。

「月曜日にはオープンできるだろうと彼は言っていたよ」

「……」

「彼らは全然諦めていない。諦めるつもりもない。それが目を見て分かったから、私は約束すると言ってしまった。自分でも馬鹿だと思う。大人として失格だと思う。それでも私は約束した。なぜなら今回の件はそもそも夢の話だったから。そして、私自身がそれに魅せられてしまったんだと思う。そして、最後に背中を押したのは加賀山さん、君だよ」

「私が、ですか」

「そう。あの時、君はとても心配そうな顔をしていた。しかしそれは私の立場や文部科学省の立場を考えてのことではなかったと思う。次に私が言う言葉で、彼らの夢が実現から遠ざかってしまうのを恐れていたんじゃないかな。そう思ったら、自分もそう考えていることに気づいてしまったんだよ。まあ、君に責任を押し付けるつもりはないんだけどね」


「……貴方は馬鹿です」


 加賀山は佐藤を見つめながら言った。しかし、その言葉は先ほどとは随分違った響きを持っていた。

「役人として失格です。社会人として失格です」

「はは、手厳しいなあ」

 佐藤は苦笑いする。そして、急に真顔に戻った。

 なぜなら、加賀山が涙を流していることに気がついたからである。

 彼女は両目から大粒の涙をこぼしながら、それでも微笑を浮かべて言った。


「……でも、大人としては最高だと思います」


 *


 東京との回線を切断した後、戦とウェンディは膨大な距離を隔てて、二人だけで対峙していた。


「キシン」

「ウェンディ」


 彼らは同時に声をあげた。

 そして、戦は手を挙げてウェンディに主導権を明け渡す。彼女は笑いながら英語で話し出した。

「日本では女性のほうが男性をたてるのではなかったかしら。私はそれでも全然構わないのですが」

「いや、単にそのほうが話が早そうだと思ったからだよ」

「そう言うと思いました。常に合理的な判断を優先するキシンらしい。なのにどうして言わなかったのですか。計画は破綻するだろうと」

 ウェンディは戦をカメラ越しに見つめた。

「貴方らしくもない。分かっているはずです。理論的に問題はない。費用が準備できれば問題はない。しかし、問題は残っている。それは夢を見たいと思う人がどれだけいるのか、だと」

「……」

「発端はただの子供の夢です。夢ならばどんなに壮大でも構いません。責任を伴いませんからね。ですが、具体的に動き始めるとなると話は違います。彼らの夢の前に現実と言う名の怪物が姿を現します。未熟な子供達が怪物に勝てるとでも? そんなことはあり得ません。奇跡でもない限り」

「……君の口から奇跡と言う言葉が出るとは驚きだ」

「NASAで勤務していると、奇跡を信じたくなることがたまにあるんですよ。それはともかく、佐藤さんもちゃんと、国家や権力や政治や官僚や宗教や思想の恐ろしさを知っているはずです。彼自身が官僚なのですから。それらのモンスターをどうするおつもりなのか私には分かりません。正面から戦ったら大怪我じゃすみませんよ。どうして誰も止めようとはしなかったんですか」

「ウェンディ、それは君も同じじゃないか」

 戦がそう言うと、ウェンディは天使の笑みを浮かべた。

「そうです。私も止めはしませんでした。なぜなら私には明確な利益があるからです。そのために彼らの夢を利用させて頂きました」

 ウェンディの断言に、戦は表情を変えることなく言った。

「分かっている」

「それでこそキシンです。でしたら即座に承諾しても良いのではありませんか。NASAのポストは準備してあるのですから」

「……」

「彼らが資金調達に成功した場合、プロジェクトは実現可能性を検討する段階に移行するはずです。そうなると話は日本だけでは終わりません。なぜなら日本には夢を実現するためのスキルが欠けているからです。必然的に国際的な協力体制に移行することになる。そして、これも必然的にキシンはNASAで仕事をせざるをえなくなる。私にとっては大きな利益です」


 そこでウェンディは静かな眼差しで戦を見つめた。

 戦もウェンディを無表情に見つめる。

 視線が地球を半周しながら交錯する。


 ウェンディが優しい声で言った。

「キシン、貴方はどうして奇跡の力を借りないと外に出られないの? どうしてそんな風になってしまったの? 私の力では物足りないの?」

「……ごめん、ウェンディ」

「あやまらなくてもいい。詳しいことは分からないけれど、貴方に事情があることは分かる。それが貴方にとって深い傷であることも。でも、ひとつだけ言わせて欲しい」

 ウェンディは涙を一粒だけ零して言った。

「私はいつまでも待ちます」

「……」

「あ、それからもうひとつ」

「――ひとつだけじゃなかったのか」

 ウェンディは再び天使の微笑を浮かべると、日本語に切り替えて言った。


「女の涙は高くつきまっせ」


 *


 授賞式は金曜日に行われたため、土日を挟んだ月曜日の昼。

 教室には四人の姿があった。彼らは雄太が持ってきたノートパソコンを見つめていた。

「こんなもんでどうかな」

 雄太が画面を操作しながら、全員に尋ねる。

「お前、こんなものを土日で作ったのかよ」

 と、翔平が目を丸くしたので、雄太は苦笑した。

「まさか。前から少しずつ作っておいたんだよ。そこに戦准教授とウェンディ博士の話を織り込ませてもらった。もちろん実名は出していないけどね。それに、これはまだパソコン上のサイトだよ」

「つくづく黒幕体質だよなあ。それで、俺達は何をしたらいいんだ?」

「まあ、可能な限りこのサイトの存在をアピールして欲しいところだけれど、それには限りがあるよね」

「まあ、頑張ってみるさ」

 そこで画面を見つめていた綾香が口を挟んだ。

「条件が書いてあるところをもう一度見せてもらえないかな」

「ああ、いいよ」

 雄太が応募条件を箇条書きにしたページを表示する。

「えっと、対象者は二十歳以下。誰でもメッセージを申し込むことが出来るけれども、その代わりに寄付が必要となる。金額はお任せ。配信は三十年後を予定している。寄付だけなら年齢は問わない」

「何か不都合な点はあるかな」

「……日本に限定しないんだよね。じゃあ英語版サイトは準備してあるの?」

 綾香の言葉に雄太が苦笑する。 

「いや、それは僕の力ではなんともできなかった。お願いできるかな」

「私も自信はないけれど、やってみる」

「大変だけどお願いします。英文が出来たら打ち込みはやるから」

「分かった」

 画面を見ていた康一郎が、いつものように気楽な声で言った。

「これじゃあ俺の出番はないな。パソコン方面は疎いから」

「いや、それがそうでもない」

 雄太は顔を赤らめて言った。

「自分で読んでいて思うんだけど、僕の文章じゃぜんぜん駄目なんだ、その、面白くないというか、興味をひかないというか、夢がないというか――」

「分かった、分かった。じゃあ俺がもう少し砕けた感じにすればいいかな。対象は子供ということでいいんだよね」

「そう。お願いします」

「お願いされます」

 そして、四人はトップページを見つめる。


 一番目立つところには数字を表示するための欄があり、そこには四千という数字が並んでいた。

 全員が千円ずつ拠出した証。


「これが夢のスタートラインなんだ」

 綾香が呟く。

「そうだね。そして、ゴールラインは百億円。締め切りは九月三十日まで」

 雄太が金額の下にある日付を読み上げる。

「出来るかな」

 そう綾香が心細そうに言ったので、康一郎が明るい声で答えた。

「こんなの最初から奇跡でもない限り無理だよ。だから奇跡を祈ろうじゃないか」

 全員の肩の力が抜ける。

「そうだよな、神頼みに近いよな」と、翔平。

「じゃあ、悩んでもしかたがないよね」と、綾香。

「そうそう、後はひたすら運任せ」と、康一郎。

「じゃあ、細かいところは適宜修正し、後で英語版を追加するとして、今からサーバーにアップロードするね」と、雄太。

 各自の思いを乗せて、データはネットの広大な世界に解き放たれる。


 そして、これが大きな流れを生み出す転機となることを、その時点で彼らは知らなかった。

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