第14話 あ、あれはッ!

 5月頃 隣のクラスの tちゃんから 、I先輩と同じく

春に卒業した、吹奏楽部の OBの H先輩を 紹介された。


 H先輩は 高校卒業後、地元で 就職された方。

高校では 建設科のクラスで、はっきりした 顔立ちの人だったから

私も ほんのり覚えている先輩でした。


 tちゃんは 同じ吹奏楽部の先輩と 付き合ってて

2人が 会う時に、4人 一緒に 会って、改めての 顔合わせ。

 どこか 真面目な感じで、特に すごくイイ!って感じでも無いけど

ちゃんと 彼氏がいるわけでもないから、いいかなぁ~って 調子で

お付き合いする事に。


 H先輩の 家とは、ちょっと離れていて 高校生の私では

ちょくちょく会える 距離では無く。先輩だって 平日は お仕事なので

電話で 話す位の お付き合い。


 とある夕食前

H先輩から 電話があって、車を買ったのを 見せたいから 出て来てって。

そう言われても この時間… 家は うるさい方だったので

出るのは 難しかったけど、車は 好きだし、ちょっとなら っと。

家の者には 『(近所の)sちゃんとこ行ってくる』と言って 出てみた。


 先輩には sちゃんン家の 近くで、待っててもらっていました。

車は 旧式の2ドアタイプのゴルフ、助手席に 乗り込んで、フラ~っと ドライブ。


 田舎なので ちょっと走れば、田園地帯。田んぼの脇に 車を停めました。

車の 話しをしたり、いつも通りの 普通な会話をしていました。


が、

 先輩が 急に、私に キスしてきて、それも 何の前ブレもなく

唐突な タイミング!

車を 停めた段階で、まさか とは思っていたけど

気配が無いまま いきなりだったんで、びっくりして…


 先輩は、せっかちに グイグイ押してきて

唇は ガタガタぶつかる感じで、助手席の方に 乗り込んで来そうな 勢い

息も 上がってる。


 それとは 裏腹に、私は やや落ち着いてて

『えぇ~?しちゃうの?』とか『時間 どうしようかなぁ』とか 思ってた。

 それより 何より、下着の事が 気になってて。

初めての時には、ピンクのお気に入りの フリルの付いたパンティでと

決めていたのに…


 近所に 出掛けるンだから、わざわざ 着替えるのは

怪しまれると 思って、そのまま Tシャツとジャージで

出て来てきてしまって、ブラも ヨレヨレ、パンツなんて おへそまである

ゴム入りパンツ。

『こんな事なら 下着だけでも替えてくれば良かった』と、しきりに 悔やんでいた。


 そんな事を 思っている間も、先輩の手は もう胸をまさぐって

Tシャツの中へ。軽く ブラの上から揉んで、背中のホックを 探し始めてる。

実は フロントホックなのに…

 ようやく 気付いて、前を 外そうとしたけど、上手く 外せす。

ブラごと グィっと上げて、そこへ 顔を近付けてく。


 申し訳程度しかない 胸に『こんなで良いのかなぁ』と

不安もよぎりつつ…

外気が 肌に晒される感覚と共に、乳首に 柔らかく 湿った刺激

初めての感触。気持ちいい とかじゃなく、くすぐったい感じ。


 こうなってきて 改めて『この人に 捧げて良いものなのか?』

『そもそも先輩の事 好きなんだろうか』 とか、

割と冷静に考えていたかもしれない。

『いや 周りの子でも、チラホラ 経験済み子いるし、私も…』とか


 そんな事を 考えている私をよそに

先輩の手は、忙しげに ジャージのズボンの中へ。

 いよいよ怖さが 襲ってきて、私は ギュッっと肢を 閉じる。

それでも 容赦なく、ぐいぐい手を押し入れてきて 

パンツの上から、陰部をこすってくる。

ワシワシ擦って すぐに、パンツの中へも 手を潜り込ませてきて

陰毛付近へも 侵入してきた。


 小学校の時から オナニーをしている私は、どこが 

ポイントなのかわかっているので、そこに 触れさせまいと

更に 力を込めて、太腿を閉め、腰を引く。

 中々 手を進めれないのに、業を煮やした 先輩は

両骨盤に掛ってる パンツとジャージもろとも 一気に、膝近くまで 下げた。


 ヒッっ…

っと思っている隙に 片脚を、パンツ達に 掛けながら

助手席に 乗り込み、足の間に 割って入ってきた。

『わぁー 乗り込んできちゃったよ、マズイかも…』

と 思うも一瞬、先輩は いつ開けたんだか

ズボンの前から ソレを出していて、もう 挿れようとしている。 


 ぐーぅ と全身が 押し迫ってきていて、息苦しい位。ってか

シートをどうにかして欲しい!辛くて 堪らない。

懸命に 腰を引いて、侵入を逃れようと 必死。

 先輩も先輩で、息をしてるんだか もうわからない位に

興奮してしまってて、グングン押し進めてる。


 陰唇を割って 私とは違う体温のモノが、そこに触れてる。

『あー もぉこれ以上、押されたら 入っちゃう』

と、何とか 腕で、先輩の上半身を 押し返してみたりして 抵抗しても。

何度も何度も 先輩は、腰を 押し付けてきて、ソコを狙ってる。


『もぉ ダメーー』  と思った時。

ハタっっと 先輩の動きが止まった。



『あぁ良かった~ 抵抗してるの わかってくれたんだ』

と思って、興奮状態だった 私も、少し 呼吸を整えようとする。

オズオズと 先輩は、運転席の方へ 戻っていかれた。

私は 恥ずかしくて、早々に パンツとジャージを 

履こうと 足首の方へ 腕を伸ばす。ちょっと 引き上げてきたところで

先輩が 私の右腕を掴んできた。


???

『へっ? まだやるの?』

っと びっくりして、先輩の方へ 顔を上げると

先輩は 何だか 哀しげな顔をしているけど、スルっと 手を放した。

『履いて いいんだよね?』と 不思議に思いつつ、ジャージ達を 直した。


 2人共 黙ったまま、身なりを 整えて。

ユルユルと 車を出し、元の sちゃんン家の近くへ 移動。

 掛ける言葉も 見つからず、『すいません』って位 

言ったかな?先輩の顔も まともに見れなかったから

どんな感じだったか わからないけど。

 車を降りて 角を曲がる時、チラっと見たら 

まだ車は停まったままでした。


 家に帰るまで 何とか、平静を取り戻しておかないと… 

と、そればかり。

 帰宅すると 夕食が始まるところ、ちょっとだけ 

手伝って、さてとっと 座ろうとしたら…


 内股に 何かが、ツーっと伝う感触。 『んン?何?』

慌てて トイレに駆け込み、当時 和式トイレだったので

履いてる物を 下げながら しゃがむ。反射的に うつむくと

薄ピンク色の長い滴が 落ちていくのが 見えた。


 『えぇーーー! 私 処女じゃなくなった??』 えぇぇー;;;


 おしっこをしたら 沁みるんじゃないかと

ビビりながら ついでに排尿。痛くはなかったけど

恐る恐る 紙で拭くと、陰部どころか 脚の付け根付近まで 

ベトベト。拭いても 拭いても、ヌルヌルする。

 『どんだけ 感じてたのよ私…』 と、自分に呆れながら 

拭き取り。立ち上がりつつ 下がって、癖で 糞溜りの中を覗く。


 汲み取り式のトイレだったので 覗けば、底が見える。

見えている穴の 右側隅に わりとはっきりピンクとわかる色の

縮こまった塊が 見えた。

 ??? っと 思ったが、次の瞬間 『あれはッ!』

直接 見た事無かったけど、あぁいう感じのモノを 

避妊具に使う と 知識だけはあった。それだと 理解した。

 大慌てで ちり紙を、大量に投げ入れ それを隠した。


 あの内股に 感じた感触、陰部付近の ヌルヌルは

男性のアレなんだ! と思ったら、気持ち悪くなって。

ジャージの内側を ガシガシ拭いた。

 いっそ お風呂に入りたい!と思ったけど

風呂は 夕食後で、順番も決まってる。何より 怪しまれる。

着替えるわけにもいかず そのまま、食卓につき 風呂を待った。


ーーーーー


 先輩が アノ後、ジャージとかを 履こうとした時

私の手を止めたのは この所為だったんだ。

あの哀しげな 何か言いたそうな顔は、これの事 だったんだろう。

恐らく しばらく、車が 停まったままだったのも

きっと コレを探していたに違いないと思った。



 その事 以来、H先輩とは 連絡もせず、自然消滅になった

高2の 夏のはじめの頃の話。







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