第13話 2度目は
Tさん との事が 白黒はっきりした状態で
終わった訳では無かったので、いつまで経っても
踏ん切りがつかないまま、諦め切れずに
時折 電話してみる事もしていました。
学校では 学園祭の時期を迎えて、他の科と組んで
文化祭や体育祭の、準備に入っていました。
高校は 職業色が強い学校だったので、電気科や
建設科など、男子が多い校内。
女子系の科は 別棟で、隔離されている感じなので
殆ど 他科とは接触しないから、新鮮な感じ。
特に 多感な時期なのもあり、学園祭にありがちな
カップル誕生というのが 盛んにあった。
私は Tさんの事を 引きづっていたから、そういう事にも
目もくれてなかったけど。
グループの皆が 次々と、彼氏をつくり
一緒に帰ったりしていく中で、自然に I先輩と、イイ感じに…
I先輩は 電気科の、クラスでも ひょうきんで
ムードメーカー的な人。いつも 皆を笑わせてくれて、楽しい人です。
I先輩の友達の N先輩と、私の友達の Yちゃんが
付き合う事になったから 行動を共にしていて。
「あの2人だけにしてあげないと…」って事で、私達は よく一緒に居た。
特に 付き合うとか、そういう垣根がなかった所為か
楽に 話が出来ていて。キャラクターもあってか 男性とか意識しなかった。
一冬 越えて、春近く。
I先輩は 県外の専門学校へ、進学する事になった。
3年生は 大学進学組しか、登校しなくなり 会えない日が続いた。
ずっと 何かにつけ一緒にいたから、居なくなる・会えないと思うと
寂しい気持ちが 湧いてきた。
いつもは 皆と、一緒にしか 会ってなかったけど
ある日 家に 家族が居ない時、I先輩を 誘って、来てもらった。
I先輩は 変わらない感じで、一杯 話をしてくれ
笑い合っていたんだけど。どこかで フっと、家の中で
2人だけなんだって、気付いたんだろうね。
急に 神妙になって。それでも 2人共
どうして良いかわかんない感じで。あんなに 普段から
Hまがいな話も 沢山していたから、もしかして?って思ってたけど。
「俺 こういうの無いから…」と、うつむいたまま。
そう言われても 私だって、キスの経験はあるけど。
あの時だって わけわかんない感じで それっきりだし。
実際には そんな時間過ぎてはないんだろうけど
すごく長い時間 黙ったまんまの2人になって。
居たたまれず 私は、トイレに立って。
戻ってきたら 少し、I先輩は 和んだ感じになってた。
それからは また、しばらく話せて。
いよいよ 帰り時間になるし…というところで。
I先輩が 「キスくらいしとくか?」と、半笑な感じで 冗談ぽく。
私は 少しそういう事あっても…っと思っていたから、黙ってしまい。
「黙るなって」って 先輩は 焦って。
それでも 私が、うつむいていると。
「冗談だから…」と 立ち上がるから、私は 帰っちゃうのか、、、
っと思って、私も立ち I先輩の後ろへ。すると 振り返って
「ちょっとしとく?」って言ってから、驚く間もなく
チュッって、口唇の端に 当たったか、触ったか位の感じ。
それだけして また、正面向いて 出入り口の方へ。
私は ポっとしたままだったけど
気を 取り直して、玄関までついて行きました。
それから 後は、I先輩と 2人切りで会う事はなく。
電話で 話しはしたりしたけど、最後のお見送りの時まで 会えなかった。
私は 寂しい想いを手紙に書いて、その時に 渡した。
I先輩は 時々、手紙を書いて 送ってくれて
内容は 相変わらず ふざけた感じで。
それを 友達と一緒に見たりして、キャッキャと はしゃいで居れて
付き合ってるのか どうなのか、わからない状態。
そういう感じで 私は、高2になっていました。
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