第6話 性の芽生え

 ある日

地区の廃品回収があるからと、母に 新聞をまとめて

縛っておくように言われた。

 嫌々 文句を言いながら、バサバサやっていると… 

新聞しか入ってないはずの 塊の下の方から

何やら 写真の表紙の本が出てきた。


 ???

と思い、中を見てみると

女の人の裸の写真だったり、男性と女性が 絡み合ってる漫画だったり

何の事が さっぱりわからなかったけど、何か 見てはイケナイものを

見てしまった、罪悪感がわいた。


 「まだ やってるの!」と、いう母の言葉に、咄嗟に 

本を隠し、とりあえず新聞を束ねて。

その本は 自分の机の脚元の 奥の方へ押し込んでおいた。


 後日 誰も居ない時に、その本を 取り出し、マジマジと見てみた。

TV等で キスシーンがあると、家族で 妙な空気にはなるけれど

「見るな」とまでは言われなかった。

 それでも 『11PM』は、父に 見ようとすると

「こんな時間まで 起きてたらアカン」と 

さっさと寝る様に言われ、見させてもらえなかった。


 その11PM を 襖の間から、覗き見た感じ や 

声とかから、何か イヤラシイ事をやってる感じは わかったし

これは 大人しか見ては イケナイものだと、認識していたから。

この本は そういう類の事の本だというのが、何となく わかった。


 わかったけど どうして、これを見てはイケナイのかが 

わからなかった。

 女性の裸の写真。男女 裸で抱き合ってるだけ。

これの 何処がわるい事なんだろう?


 でも 何だか、大人の仲間入りが出来てる感じがする事。

誰も知らない事をしている事への 罪悪感と背徳感が

何か 興奮する感じで、意味は さっぱりわからないけど

じんわり 嬉しい感じがした。

 事ある毎に 新聞の溜まっているとこを確認して

そういう本が無いか 調べるのも、楽しみになっていた。


-----


 Kちゃん(女)とは 小学校へ入ってから、仲良しになった 友達。

いつも 下校は彼女と一緒に帰ったし、休みの日も 大抵 毎日遊んだ。

とある日 Kちゃんにも、その本を見せてみた。

 私としては 宝物を、自慢する感じで 見せてみたんだけど

Kちゃんは 「家にも こんなのある~」と言って。

次に Kちゃんン家へ遊びに行った時、見せてくれた。

何だか Kちゃんも 大人なんだなっと思って、少し残念に思った。

 そして 何度目かの時、本を見ているところを 

Kちゃんの お父さんに見つかったしまい。

物凄く怖い目で 睨まれたのを、今も 良く覚えている。

 それ以来 Kちゃんに、その事は 話さない様になった。


 それでも 私は、時折 自宅で見つかる、その本を 楽しみにしていて。

小学2年生の時 虫垂炎で、手術をして 入院した際

退屈だろうからと スケッチブックとクレヨンを持ってきてくれたから

嬉しく 絵を描いていたけど。

 どこかのページに、女性の寝ころんだ姿と 次のページに

その女性が「裸にされて嬉しい」と コメントまでして

裸の絵も描いたりしてた。

 うれしいの意味も良くわからないままでした。


 そして 小学3年の頃には、本から オナニーのシーンを

見たんでしょうね。何か 下腹部がモゾモゾする感じもあったかで

真似てみようと思ったと思います。

 パンツの中に 手を入れて、陰部全体を こすってみた。

よくわからないけど 身体がジンっとする感じがして気持ちいい。

もっとやると はっきり快感とかではないけど、後ろめたい感じの方が

ドンドン増して、その気持ちが 興奮をよんで たまらなくなった。

 初めてのオナニーは そんな感じ。


 それを 何度かやってみているうちに

的確に 気持ちの良い所を見つけれる様に。

 もう小学4年生頃には、一端に オナニー出来る様になっていた。

夏の日、新しく 水着を買ってもらい、嬉しく 試着していると

股間に食い込む感じが 何だか気持ち良くて、更に 水着の上から

乳首を触る感触が もどかしくイイ感じで。

 つい没頭してしまい、姉に 目撃された事もあったりした。

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