第5話 初恋
新入生の集いの後 入学式を迎えました。
田舎で 生徒数も、各学年 2クラス程の、小規模の学校。
わりと いつも、姉と お揃いの服を着せられていたけれど
その日用に 母が作ってくれた服に、上機嫌で 式に参列。
制服が無かったから 皆、それぞれ 余所行きの恰好で、違って見えた。
その中に 一際、正装と言って良い感じの カチっとした服装の子。
M君だ!
しかも 同じクラスになった。
ものすごく嬉しかった。
クラスの中は 幼稚園組 と 保育園組で、分かれた感じに
なっていて、中々 直接話せたりしなかったけど。
朝礼の時など 男子と女子で、別々で 列を作って並ぶと
M君も 背が高かったから、すぐ横に 並んだりして。
それだけで キュンとなったりして、M君の事ばかり 意識した。
ある時 M君の誕生日を知り、何か プレゼントをしたいと思い立つ。
だけど 金銭など持っているはずもないし。
この時 こっそり、母の財布から お金をくすね取って。
文房具屋へ行き 当時まだ、高価だった シャーペンを選び
その足で M君ン家へ。
M君の自宅の事は 姉から聞いており、だいたい わかっていた。
その通りに 行ってみて、表札を確認すると 合っていたから、思い切って
チャイムを鳴らしました。
M君は 塾へ行っているとの事。
応対してくれた お母さんに、シャーペンを渡すと 名前を尋ねられ
名前だけは 答えて、そのまま 一目散に、自転車で 逃げ帰りました。
ドキドキして 帰宅すると、既に M君のお母さんから
我が家へ電話が入っていて
母に 「どうして そんな事をしたの!」 「お金はどうしたの?」と
こっぴどく叱られ、更に M君のお母さんが、家まで シャーペンを返しにきたり。
お店へ シャーペンの返品に 行ったりと、一騒動になった。
結局 その時、M君に 想いを伝えられない どころか
変わった人扱いされたのではないかと思う。
益々 M君とは 距離をもつ様になり
やっぱり 遠くから眺めているしかない状況。
そして 3年の時 クラス替えで、M君とは 離れ離れ。
隣の クラスではあるものの、極端に 接触する機会が無くなった。
それでも M君への想いは、ずっと持ち続けていました。
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