第4話 一目惚れ

 魔法に憧れる、私は 自分の事しか 考えられない性格。

体格の事もあり、近所の男の子よりかも 男勝りな行動で

怪我が絶えない日々。


 それに引き替え 姉は、穏やかで 優しい性格。

よく姉の友達とも 遊びたがって、その中でも 自己中振りを 

発揮して、皆を 困らせていましたが、親の手前もあってか 

嫌々ながらも、姉は 私を連れて 遊びに出ていてくれました。


 そんな 小学校入学前の、ある日。

公民館で 地区の新入学を迎える、子供の集いが催された。

地区の役員の人が 取り仕切り、高学年の人達が 

歓迎の簡単な劇をしたり、小学校での生活を 紹介する

そんな集まりだったと思います。


 姉は 3つ年上なので、高学年では無いものの 

小学生全員参加だったので、一緒に 公民館へ行きました。

 私は 保育園しか通っておらず、ほんのり 幼稚園という所があるらしい 

程度しか 認識がなかった為、思いの外 沢山の同じ歳が居る事に

驚いて 身を縮こませていた。


 一連の催しが終わり 解散となってからも、人の多さに 

怖さを覚えてしまった私。

 姉から離れず ぴったりくっついて、ようやく 玄関を出ると

姉は 友達に会った様で、早く帰りたい 私をよそに、楽しげに話し出した。

 よく見ると その友達の後ろにも、同じ位の男の子が 隠れており

同様に 萎縮している感じでした。


 姉が 私を押し出し 「うちの妹」 と、友達に紹介する。

友達も 後ろの子を、引っ張り出してきて「弟のMです」 

と紹介してくれた様に思うけど、良く覚えていない。

 始めは 恥ずかしさと、状況上からも 早くこの場から

逃げたい 気持ちばかりだったし、まともに 顔も見れてなかったけど…


 長々 話している姉の後ろから、そっと その子を見て


【ズキュン!】


 あの時には わからなかったけど、一目惚れの瞬間です。




 姉の友達の お姉さんも、その子も 見るからに お金持ちそうな風貌。

M君は 色白で、きちんとした服が とても似合ってて。


 いつも遊んでいる 男の子とは、全く 違う感じだったんです。

もう それから後は、益々 その子の事を 見る事も出来ず

そのまま 帰宅。

 確か 姉に、あの子の 名前を聞いたりして。それを聞いていた 母が

「あぁ~ 〇〇さん?◆◆町の?来てたの?」とか なんとか

会話してた記憶があるけど。それ以上 何か言えもしないし。


『◆◆町かぁ 行った事無いな~』と、当時の私には遠い その町は

小さな私でも 分る位、どちらかと言うと 富裕層の家がある地域として

ふんわり認知していた。 

 何か 町を含めて、新たな憧れの気持ちも 芽生え。

ただ単なる 憧れとは、ちょっと違う感覚を 覚えはしても、それが 何なのか

ぼんやりとして、何を どうすれば良いのか、わかるはずもなく。


いつもの 日々に戻りました。



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る