ふぅちゃんずっと大好きだよ
妙
第1話 ふぅちゃんと私
ふぅちゃんは私の祖母です。本当の名前は
私がまだ小さかった頃、祖母は自分のことを「おばあちゃん」ではなく名前から取って「しゅうちゃん」と呼ばせたかったそうです。幼い頃の私には、その「しゅう」と言う発音は難しかったらしく、何度教えても「ふぅちゃん」としか呼べなかったそうです。そして、それがそのまま直ることなく私の祖母の呼び名になりました。
私の両親は今時珍しくない共働きでした。その為、祖母であるふぅちゃんが私や妹の面倒を見てくれていました。私にとってふぅちゃんは両親よりも長い時間を過ごした大切な家族でした。それは今現在も変わっていません。
ふぅちゃんの旦那さん。つまり私の祖父は私が生まれるよりもずっと昔に亡くなっていました。私の父が大学生の頃に旅立ってしまったそうです。
祖父の話をするふぅちゃんはいつも「今も生きていればきっとあんた達を可愛がっていたと思うよ」とよく言っていました。
私は写真でしか祖父を見たことはありませんが、和室に今も飾ってある写真を見る度に父に似た(というのは逆なのですが)姿を見ながら一度会ってみたかったなと子供ながらに感じていたことを覚えています。
祖父は仕事の関係上出張が多かったと聞きます。その為、父もよく転校していたと聞いていました。現在の場所に住み始めたのは祖父が亡くなった後だと聞いた気がします。ふぅちゃんはその後、女手一つで息子と娘を育てたそうです。とてもしっかりした人だとよく父も言っていましたが、私もそう思います。
ふぅちゃんは孫である私や妹にもとても厳しく、そして優しく、時には過保護すぎる程に心配性な人でした。そしてふぅちゃんは正しい善悪の判断や、人として大切なことが何なのかということを教えてくれた最初の先生だったなと今では思います。当時はそんな事を考えることはできませんでしたが。
私にとってふぅちゃんはとても大切な人です。その気持ちを忘れたくなくて私は今こうして文字に想いを乗せています。少しずつふぅちゃんとの思い出や現在の話など書いていけたらいいなと思っています。
大好きだよ。ふぅちゃん
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます