エピローグ  仙界の西王母は愚痴を零す。 

「華琳を捜しに行かせた華蓮からの連絡が全然来ないけれど、いったいあの子はなにをしているのかしら? まさか、いまだに華琳の居場所を突き止められないでいるのかしら? 仕方ないわ。別の者をまた下の世界に派遣した方がいいかもしれないわね」




華寧かねい! 華寧! 長姉の華寧はいないのかしら? ああ、そういえば、華寧は九天玄女きゅうてんげんにょのもとへ遣いにやっていたわね」




「華寧がいないのであれば――華慧かけい! 華慧! 次姉の華慧はいないのかしら? ああ、そういえば、華慧は仙境に住んでいる老師たちのもとへ、蟠桃会ばんとうえの案内に行かせていたわね」




「華寧も華慧もいないのであれば――華秀かしゅう! 華秀! 三姉の華秀はいないのかしら? ああ、そういえば、華秀は竜宮りゅうぐうにいる四海竜王しかいりゅうおうのもとへ、竜を借りに行かせてたわね」




「華琳の姉たちがいないのであれば――華瑠かりゅう! 華瑠! ああ、そういえば、華琳の妹の華瑠は、蓬莱ほうらいへ霊薬を探しに行かせていたわね」




「ということは、残っているのは――末妹の華悠かゆう! 華悠! ああ、でも華悠はまだ幼いし、修行中の身だから、下の世界に派遣するのは少し不安ね」




「さて、それではどうしたらいいかしら……?」




このあと、西王母の愚痴は止まることなく続くのであった。

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酔狂之天女 鷹司 @takasandesu

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