「読者」の分析

読まれる作品を作る為に ~壁~

 読まれる作品を作りたい、という時に問題となるのが「大衆」です。「大衆ウケ」という用語における「大衆」という捉え方をした場合の「大衆」というのは、ちょっと扱いが危険です。


「ミーハー」とか「にわか」とか「イナゴ」とかの蔑称を持つ人々が多く構成員に入っているからです。


 なのでこれに触れるのは、こういうエッセイ系だとほぼタブーでしょうね。多くの敵を一瞬で作れてしまいます。だけど、読まれる作品ってのを考える上では避けて通れないのですよね、この「大衆」という存在を正しく捉えることは。

 ここを間違っちゃったり、理想で大目に見てしまうと、まったく見当ハズレの回答に到達しますから。データは正しく読みましょう、てなものです。


 では、「にわか」というのはどういう人々の事でしょうか。「ミーハー」とか「イナゴ」というのも同種の事だと捉えて間違いはないと思いますので、これからは「にわか」で統一します。(似て異なるがカテゴリは同一で、大ジャンル小ジャンルみたいなものです)


 「にわか」というのは、後追いでその対象のファンになった人々を指します。が、正確には、後からファンになった者が全員「にわか」呼ばわりされるわけではありません。


 ファンを名乗る事が目的で、アクセサリーとしてその対象を扱う人の事は、特に二次界隈だけの俗称で「イナゴ」と呼びますが、これも特殊なケースです。

 この人々にとっては、ファッションツールとして優秀であれば良いという事になるわけで、その内容が深かったり複雑だったりはむしろ邪魔なのですね。ファンを名乗るからには、多少なり語れるフリはしないといけないので。

 この一派と「にわか」というのはまた種類が違う感じを受けます。


 つまり、そういう事なんです。インスタグラムにアップしたり、ツイッターで話題にする事が目的で、それを語れる自分が主役だという事です。その対象ごとでこの目的は違ったりもしますが、それを全部ひっくるめて「大衆」としてしまうので、公式の正答が出てこないわけです。


 割とそういう目的でカルチャーを消費する人は多く居ますんで、それが悪いというわけじゃありません。深い愛はないかも知れませんが、読者は読者、数のうちです。向こうもそう思ってます、作品は作品、数のうち、と。


 こういう数種の嗜好の人々が、「大衆ウケ」という場合の読者数の大半を占めるという事を肝に銘じておいた方がなにかと理解が易くなります。

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