「山場」ループするほど山場感は消える

「冒頭」「序盤」「本題」「承認」「葛藤」「転換」「打開」『山場』「終幕」


 作戦立案からの~、決行シーンが「山場」です。もちろん、作者の胸三寸で、この山場が実は第二の転換に過ぎない、なんて演出もありです。そしたらまた打開策を大慌てで練り直し、決行に移るわけです。


 ですから「山場」は盛り上がり全体を同時に指すことになります。


 さらに言うなら、最初の葛藤からの「転換」、ここから連続する「打開」「山場(決行)」「転換」「打開」「山場(決行)」という物語の流れが出来た場合ですが、書き出してみれば解かる通り、何度も何度もループするのは、構成的にヨロシクないっていう事が読み取れるはずです。


 山場ってのは、物語の最大の盛り上がりです。それがダラダラと逆転逆転また逆転なんてのは、中弛みもいいところですから。それが許されるのはスポーツなどの勝負ネタだけでしょう。


 つまり、「本題」が一つであれば、そこからの流れも一筋しかなく、山場とどんでん返しも何度も繰り返されるものではないって事です。


 テーマが二つ以上あるケースでは、「本題」も二つに分かれる場合があります。その場合はその後の承認からの流れもまた支流が出来て二手に分かれるという事なのです。「本題」一つに対しての、「承認」であり「葛藤」であり「展開」であり「打開策」なわけだからです。


 二つの流れとなった物語は、それぞれを語る配分というものがまた勘案事項に加わっていき、さらに終局では統合されねばならなくなり、つまり、


 それだけ創作の難易度が跳ね上がる、という事なのです。

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