「承認」起承転結の、承。

「冒頭」「序盤」「本題」『承認』「葛藤」「転換」「打開」「山場」「終幕」


 4つ区切りの起承転結ですと、物語の始まりを受けての承諾の部分だとか、始まりのエピソードを補足して解説を加える部分だ、というような説明が付きます。


 けれど、ここは「本題」を受けてのパーツです。

 前段階では物語の核心が現れたわけで、読者の反応は一つしかないはずなんです。


 ずばり、本題に対しての人物たちの反応、です。


 これがないと説得力もへったくれもありませんから。人々が薄い反応でスルーしてしまうような事柄だとしたら、それもまた本題が物語のコアであるとは言えなくなります。だから、本題が語られたなら、必ずその本題に対する反応は書かれねばならない、という方程式が成り立つわけです。


 ここはセットなのですね。


 そして連鎖的に、続く「葛藤」もセットとなるはずなのです。


 物語の展開は、本題が語られたなら次の大きなイベントが起きる前に、この本題をより詳しく読者に理解させる意味合いも含めての承認エピソードが挿入されているものです。


 ウルヴァリンの場合も、本題の後に主人公の心情を描くシーンが入っていました。ここのやり方は千差万別で色々な手法が取られるでしょうが、その目的としている事は一つであると言えます。


 本題のさらなる理解、あるいはもっと深く本題に興味を持っていく為のテコ入れです。


 推理小説ならば事件が発覚した時点が「本題」となります。事件が起きれば自動的にその方法と犯人が視野に入るからです。そして、事件後の聞き込みなり会話なりは本題を補足強化するためのパートとなっているケースが多いのではないかと思います。つまり、「承認」なわけです。

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