「序盤」世界観披露の場所

 冒頭で読者の興味を引くことに成功したなら、続く序盤でこの物語が「どういう世界」で「誰が」「何をしようと」しているのかを説明している気がします。

 それらの設定をさりげなく語るのが、この「序盤」の位置づけではないかと考えます。

 もっと創作論的に言うなら、「本題」に入る前の準備段階を済ませておくのが、ここ、「序盤」のパーツだろうという事です。


 ウルヴァリンの話で言うなら、過去のエピソードは「冒頭」に当り、まだ視聴者的には何がなんだか解りません。ただ、何か面白そうだと興味を引くことを優先に構成されています。

 で、その後に現代に時が移り、女ニンジャのユキオが日本へ導く当りが「序盤」と言えるのではないかと思います。そこから「本題」である大企業の総帥との面談、ヒロインの登場へと物語は一気に核心へと近付きます。


 はっきりとした区切りなどないのですが、構成の流れ的に、序盤は本題を解りやすくする為のサポートエピソードが置かれる事が多いと感じます。

 本題に入るための伏線であったり、本題を噛み砕いて解りやすく提示する為のエピソードが入ると言うべきでしょうか。それと共に、さりげなくその作品世界の世界観もここで語られるような気がします。


 必要な情報を必要になった順に出す、という事で、ウルヴァリンでは日本に来てヒロインが登場してからの展開はスピーディーです。

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