心の家

呑気な居酒屋店員

第1話

人の心の中には家が建っている。家は人の『価値観』や『道徳』だ。その家は生まれた頃には無い。家が建つのは物心がついた頃ぐらいだ。大工さんはもちろん親や友人、周囲の環境だ。たくさんの人が関わって心に家が建つ。家の大きさや形は人それぞれだ。一階建てで玄関はとても大きく、年末は親戚一同集まって大団円を開いていそうな、住んでる人を安心させる家。鮮やかなパステルカラーで壁を染め、オシャレなインテリア、観賞植物が置かれた見る人の心を奪うような家。とにかくたくさんの種類の家がこの世には存在する。


この家の違いをイマイチ認識出来てない人がどうにも世の中には少なからず居るように思える。つまり自分の家のルールはどこの家にも必ずあるものだ、と思ってる人が居るという意味だ。この家のルールあるあるといえば、諸君は何を思い浮かべるだろうか。一つ著者から例を挙げるならば「めだま焼きの食べ方」なんてのはどうだろう。醤油をかける家もあれば、塩をかける家もある。マヨネーズをかけるとこもあるし、寧ろ何もかけないと言う家もあるだろう。このように各家によって所謂常識ってやつが違うのだ。だが、もう一度繰り返そう。この各家の違いを認識し理解してない人間が少なからず居るようになのだ。よって一つ、この文章を読んで頂き今一度、今の世の、詳しく言えば今の日本社会に生きてる日本人のいかに傲慢で無知であること。本来人との距離感とはどうあるべきなのかを理解して頂きたい。もちろんここまで読んで頂いた方の中には、そんな事は百も承知だ。何を今更言っているんた。家によってルールが違うのは当たり前だ。と思ってる方も居るだろう。そのような方々は読まなくて結構だ。時間は有限なのだからすぐ閉じて構わない。この文章はそんな事さえ考えなければならない人へ向けた文章である。ここまで読んでくれた方に感謝と、拙い文章へのお詫びを申し上げる。


さて残った諸君。今すぐ自分の価値観が他人とは違う事を理解するんだ。このままでは理解してる人と比べ何倍も苦労をするし、イライラするし、後悔や失敗の数がいたずらに増えるばかりだ。著者は最初に「心には家がある」と述べた。家というのはどれも似てるようで全然違うものだ。同じような家に住んでいても中のレイアウトも一緒という事はないだろう。つまり、パッと見自分と似たような人が居たとしても中身は全然違うということは十分起こり得るのだ。また、見た目や態度は自分と真逆なのに思考や価値観は自分とよく似ているという事も十分あり得る事なのだ。ここまで言えば理解して頂けるだろうか。つまり人の有り様と家は比較する上でとてもよく似ているのだ。何故あそこの家の壁は白なのだろうか。何故チューリップではなくラベンダーを植えているのだろうか。何故あそこの家は犬じゃなく猫を飼っているのか…考えればきりがない。こんな事は当たり前だ。その家の主は白好きなのだろうしラベンダーの香りが好きなのだろうし、犬アレルギーなのかもしれないのだ。考えればきりがないし、考えたってしょうがない。価値観の違いとはそれだけどうでもいいことなのだ。自分は自分、他人は他人。白が気に入らないと勝手に華やかなパステルカラーに塗り替える人は居ないだろう。もし居たらそれは犯罪である。社会が認めてない。しかしだ。貴方さてはパステルカラーに塗り替えようとした事はないだろうか。価値観を押し付け、また白を否定した事はないだろうか。パステルカラーが綺麗であることは分かっている。ただ広辞苑で傲慢という単語を調べ自由帳に100回繰り返し書いてほしい。人には好みがあるのだから。ただ、著者は数度社会が許さないという言葉を使ったが実はこれは今間違いになろうとしてる。現代社会を動かしている上の世代。所謂上司という人種がやっかいで、どうも彼らの中では他人の家をパステルカラーに染めても良いとなっているようなのだ。これに反発すると「これだからゆとりは」なんて言われてしまう世の中である。だから、今の若い世代が混乱してしまうのも無理がないと著者は思う。私は身分に対して意見を変えるつもりはない。若いうちは染まれなんて言わない。今の上の世代は間違っているのだ。ここで一つ勘違いをしないで欲しいのは、心の家に欠陥がありそこを指摘、改善しようとしてるのにも関わらず、私に指図するなといった態度を取るなということである。壁に悪臭のするペイントをする事は良いことだろうか。生ゴミを不法投棄する家は良い家だろうか。


考えてほしい。貴方の心の家は果たして他人に迷惑をかける家になっては居ないだろうか。少し目を向けて欲しい。周りの家と自分の家、どこが違うのか。そして理解して欲しい。価値観の違いを。理解できれば寛容になり、見解も広がり先見の明も広がるだろう。

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