最終話 ~おやすみ~

 昼食を取りながら私は考えていた。

 これからあのような執事やメイドが襲ってくるのか。

 退治すればいい話だが大量にいるみたいなので一気に来てもらっても困る。

「ごちそうさま」

 食べ終えた料理が乗っていた皿を洗面台の近くに置き、ビリニュスが待っている自室へ入った。

「ビリニュス」

「どうしました?」

「ミンスクが逃げたという事は私だけじゃなくて先輩や桃音ちゃん達の顔と名前も知られてしまった、て事?」

「はい……そうなります」

「あの時もっと早く浄化していれば!」

「巫女十さん達の存在が知られるのも時間の問題でした。どちらにせよ、いづれは知られてしまいます」

 まさかこんなにも早く知られてしまうとは!

 椿姫を浄化してまだ一か月も経っていない。

「大丈夫ですよ! 朱火さんなら椿姫派の連中も一気にやっつけられますよ」

「ちゃんとお前も援護しろよ。武器を持ったからさ」

「任せてください!」

 返事はいいが不安だ。

「もうしばらくは休ませてほしいな。そうしないと本気が出ない」

「そうなのですか」

「あのなぁ、私は戦う時はもちろんだが浄化をするときも体力を使うんだぞ。さらには精神力も」

「そうでした。忘れていました」

「覚えとけよ」

 これだから困る。

「朱火さん。お疲れ様です」

「……ありがと」

 でもこういう所があるから憎めないんだよな、コイツ。

「なんか眠くなったな。寝かせてくれ」

「はい。あ、でも寝すぎには気を付けてくださいね。夜眠れなくなりますよ」

「わかった。夕食の時間になったら起こしてくれ」

「わかりました。おやすみなさい」

「ああ。おやすみ」

 気を使ったのかビリニュスは部屋を出て行った。

 ベットに横になり、しばらくすると私は深い眠りについた。


第二章 ~完結~

第三章へつづく

 

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洗脳メイド 初夢なすび @hatuyumenasubi

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