第12話 ジェットコースター

 復讐の相手を見つけた”ジョン・ウェスト”遺跡を見下ろせる丘の上で隠れていた


ジョン「ヤロウ!」


 思わず起ちあがろうとしたところをつかまれ止められる


テッド「コラ落ち着けジョン、頭冷やせ。今出て行っても蜂巣になるだけだぞ」


ジョン「・・・わかってる」


テッド「アレックスも間違っても真正面から行・・・どこ行ったアイツ?」


アレックス「こら、また!コイツめ」


メガテリウム「ペロペロ」


 止めてた馬車がまた動物に荒らされてアレックスはそっちの対応に追われていた


アレックス「このぉ・・・イライラ」


 殺気を出しながら銃を抜こうとしている


テッド「間違っても撃つなよ、気づかれるからな!」


アレックス「ウフフフ・・・そこでゆっくり食べてなさい」


 冷静になったのか野菜の入っていたであろう袋とシャベルを手に取り馬車から下りるアレックス


テッド「ふぅ・・・さてどこから攻めようか。この坂を下っても蜂巣になっちまうし」


ジョン「丸見えだからな、回り込むにしても・・・・ん?」


「ザク、ザク・・・」


アレックス「この畜生どもには食べた分しっかり働いてもらおうじゃないの・・・・・・」


 彼女は何を思ったのか袋の中に土を入れていた


テッド「何してんだアイツ」


ジョン「ああしてると落ち着くとかじゃないか」


アレックス「ひとぉーつ、ふたーつぅ」


 袋に入れた土に水をかけて馬車の中に放り投げると馬車の中で何やらゴソゴソしている


アレックス「よいしょっと」


テッド「おい待て、何する気だ」


アレックス「ジョン、馬お願いね」


ジョン「なに?」


 嫌な笑顔だ


アレックス「はいや!」


馬車馬「ヒヒン!」


メガテリウム「ブオ」


 アレックスは馬車を走らせ坂に突進した。メガなんとかも連れて


テッド「バカやめろ!」


アレックス「どう!」


 馬車は坂の手前で急旋回し馬車の後ろを前にした格好になる


「ガギン」


 馬車と馬を繋ぐ金具を外して後ろ向きのまま遺跡に向かって馬を残し馬車が坂を下りていく


ジョン「なんて無茶を、っつ!」


 馬車から解放され逃げようとしていた二頭の馬車馬を投げ縄で捕まえて大人しくさせる


ジョン「どうどう」


「ダダダダ」


 馬車に続きメガテリウムも降りようとしていたが少し躊躇しているようだった


アレックス「来なさいデカブツ、パーティ会場はこっちよ」


「タンタン」


 アレックスはメガテリウムに発砲して挑発し、傷けられ怒ったメガテリウムが速度を上げ馬車を追いかけていった


メガテリウム「グオォ!」


テッド「あのバカヤロウ・・・」


 下の連中とアレックスの馬車の様子は


ヴァンス組員1「オイ、デカいのが馬車追っかけて下りてくるぞ」


ヴァンス組員2「旅人でも襲われたのか?」


キッド「こんな場所までカタギの人間が来るわけねぇ。馬車ごと蜂巣にしろ!近づけさせるな」


ヴァンス組員1.2「合点です」


アレックス「ウララララ」


「タンタンタン」


 ヴァンス組が機銃を発砲する前にアレックスが馬車の後部にある調理棚の隠し窓から発砲して一人を仕留める


ヴァンス組員1「ぐおぅ!」


ヴァンス組員2「撃って来やがった!」


カーター「敵襲!」


「ドドドドド!」


アレックス「ちぃ!ラララ!」


 馬車は集中砲火をあびてるがアレックスは怯むことなく撃ち返している。さっき袋に土入れてたが、土嚢で銃弾を防いでるのか?


「ボスッ!ボッボッ!」


アレックス「けっこう弾が抜けてくるわね。アーもう!」


カーター「戦車かありゃ。この声はどこかで・・・」


「ビュン、ブン」


ヴァンス組員4「がはっ」


ヴァンス組員5「4人やられた!」


「ガン!」


 馬車が坂を下り切り横転した。その勢いか大きな箱が馬車から転げ落ちる


「ゴロン」


ヴァンス組員5「なんだありゃ・・・棺桶?」


メガテリウム「ガゥ!」


 遅れて下ってきた巨大な怪物に驚きヴァンス組に一人が発砲してメガテリウムの注意がヴァンス組へとむかった


ヴァンス組員5「ひぃ」


「タッタッタッタン!」


メガテリウム「グォォン」


ヴァンス組員6「ナメンナよ熊公!」


「ダダダダダダダ!」


 怒った怪物は機銃をもろともせずギャングを跳ね飛ばしていく。混乱してる今なら行けるか


ジョン「俺も後を追う。止めるなよ」


テッド「ちぃ、奴らが体勢を立て直すまで10秒かかる。出来るだけ削ってこい!」


ジョン「おう」


 捕まえた馬車馬の間に立ち二頭同時に操る


ジョン「来い、シルビア!」


 俺はシルビアに縄をかけ三頭引き連れ坂を駆け下りながらライフルを発砲


「タンタン」


ヴァンス組員6「新手かクソ、ぐぅッ」


キッド「食らいやがれ」


 ヴァンス組の一人が上部に円盤状の弾倉を付けた機銃の煙突にような銃身をこちらに向け、キッドもライフルでこちらを狙ってきたが


「バァンッ!」


 機銃を向けて来た奴の上半身が爆ぜて、血を浴びたキッドに隙が出来る


「ブチャア」


キッド「うは、なんじゃこりゃ」


テッド「キッドォ!勝負だ、来てみやがれ!」


キッド「はぁ!?おいテメェふざけんなっ・・・」


「バァン!」


 テッドの援護射撃でさらに混乱し指揮が乱れた


ジョン「ンッ」


 二発のショットシェルを口に咥え、持っていたライフルを左手に持ち替えてショットガンを抜き二丁の銃を発砲し駆け下りる


「バン、バン」


「グルン、タン!グルン、タン!」


 ショットガンの弾を口で再装填し、ライフルは片手で回しながら連射ながら4人仕留める


「バンバン!」


ヴァンス組員10「ぐぼぉ」


カーター「舐めんじゃねぇ!!」


「ダダダダダダダダ」


ジョン「ッ」


 カーターの機銃をジャンプして躱し、そのままシルビアに飛び移る


カーター「ヒュゥ、魅せてくれるじゃないの」


アレックス「よそ見しないでよっ・・・と、騙し屋ぁ!」


「ガバ」


 馬車から落ちた棺桶の中からアレックスが飛び出しライフルを乱射する


「タンタンタンタンタンタンタンタンタンタン」


 弾切れになった銃を投げ捨て棺桶の中の新しい銃に持ち替えを繰り返し、続けて乱射し3人仕留めた


ヴァンス組員13「うぅ」


カーター「チッ、クソ女が」


 カーターは地面に伏せて弾幕から逃れる


ジョン「ほら、行ってこい」


馬車馬「ヒヒン」


 俺は預かっていた馬車馬を叩きアレックスのもとに向かわせて、シルビアとヴァンス組が作っていたバリケードに身を隠す


ヴァンス組員14「このやろう」


「カチ」


 隠れていたヴァンス組の一人が跳びかかって来た、発砲しようとしたが弾が切れていて組み伏される


ジョン「!?弾がっ。この・・・」


アレックス「ジョン!!」


 アレックスが槍投げの容量でこちらにライフルを投げて来た


ヴァンス組員14「ん!?が!」


 アレックスの声に気を取られた組員の顔に投げたライフルが刺さる。俺はその銃を握り頭を内側から撃ちぬいて止めを刺してやる


ジョン「ありがとよ」


「ガシャ、タン」


ヴァンス組員14「ぐぶあ・・・」


カーター「よそ見してると危ないぜ、お嬢ちゃん」


「タタタタン」


 隙を見てカーターがアレックスに反撃した


アレックス「くっ、このや・・・てぇぇ!?」


 アレックスは棺桶の中に伏せて躱したが。ヴァンス組を襲っていたメガテリウムが戻てきてアレックスに襲い掛かる。


メガテリウム「グオオ!」


アレックス「えっ、トォオゥ!」


 アレックスはその巨体にナイフを突き刺ししがみついえた


メガテリウム「ぐお!?」


アレックス「ちょっと!アンタの獲物はあっち!食った野菜分働け恩知らず!」


ジョン「一体どの口が言うか・・んん!?」


カーター「おりゃ!」


 カーターもメガテリウムに飛びついた


カーター「男女の間に無暗に入るもんじゃないぜ。火傷すっからよ!」


「タンタン」


アレックス「ちぃ。ウラララ!」


 巨獣の体にしがみついたまま、撃ちあいを始めた


メガテリウム「グヲ、おお?!」


「バン、タン、タタタン」


 メガテリウムは二人を振り払おうと激しく暴れる

 

キッド「こういう軽業はオレに任せとけっての」


 メガテリュウムの背中をピョンピョンと駆け上がり巨獣の頭にベルト弾倉のサブマシンガンの銃口を向け発砲する


キッド「お座りだ」


「ダダダダダダダダ」


デッド「今だ、胴体撃ちゃあ首はギリ残るよな」


「バァン!」


キッド「ヤッホオオー」


 キッドは巨獣の背中滑り台の様に下りて狙撃を躱し、外れたデッドの放った銃弾はメガテリュウムに直撃した


メガテリュウム「ガアア!」


キッド「フゥ、止めの一撃ご苦労さん」


テッド「あのクソガキ!直撃させないと思って舐めてんのか!?アアん?」


アレックス「なにやってんのよ便利屋!うわわ」


馬車馬「ヒヒン」


アレックス「っと」


 アレックスの馬が丁度下を通りその馬に飛び乗り崩れ落ちるメガテリュウムから脱出する


アレックス「まったく役に立たなかったわね。あの畜しょ」


ジョン「アレックス!隣の馬だ!」


「タン」


 隣の馬車馬にしがみつきながら隠れていたカーターがリボルバーを撃つ


アレックス「くっ!?」


「タンタンタン!」


 とっさに躱したアレックスは二頭の馬車馬を繋いでいる連結部を撃ちぬいて隣の馬を蹴り距離を取る


カーター「チ、もう少しで逝かせてやれたのによ」


アレックス「ちょっと!私の馬よそれ、返しなさい!」


カーター「ハハハ、泥棒にそれを言うかい。さて、銃の扱いはそれなりだが馬の扱いはどうだ?」


アレックス「受けて立とうじゃない。さあロデオの時間よ!」


カーター「ウィッハー!腰がイカレるまで暴れ倒してやるぜ」


ヴァンス組員15「兄貴達だけに任せておけるか!こっちも楽しんでやろうぜ」


ヴァンス組員達「うっしゃぁ!」


ジョン「やべ」


「ドババババババ」


 機銃の一斉射が俺に降り注いできた、俺はバリケードの陰を愛銃に弾を込めながら地面を這った


ジョン「ひぃー、何で俺だけ!?カーターの一騎打ちは邪魔しないとか??テッド!助けてくれテッドォォォ」


 だがテッドからの援護射撃が来る様子は無い


ジョン「チクショウ、トラブったのか!?あ、そうだ」


 煙草入れの袋から急いで葉っぱを抜き、袋に弾薬を入れ放り投げる


ヴァンス組員15「なんだ?」


ジョン「花火だよ」


 ホッグスレッグに特殊な弾を込めその袋めがけて引き金を引いた


「ブワン」


 マグネシウムペレット12ゲージ焼夷弾。動物への威嚇用らしいが高いから今まで使わなった。銃口から勢いよく出る炎が弾薬ごと袋を燃やすと、炎で引火した弾薬は中りに銃弾を不規則に撃ち出す


「ジュゥ、パン、パラランパパン」


ヴァンス組員15「うわくそ、小賢しい真似を」


ジョン「今のうちに」


バンス組員?「おい!ヤロウ馬で逃げようとしてるぜ」


ヴァンス組員16「なに!?どこだ」


 こっそりと馬に乗ろうとしたら後から駆けつけた敵に見つかってしまった。


ヴァンス組員17「うっりゃ」


「ドドドドドドドド」


ジョン「走れ!シルビア走れ」


シルビア「ヒヒン、ヒィン!?」


 横転した馬車にむかて逃げる


ヴァンス組員18「ち、馬車の裏に隠れられたか」


バンス組員?「だな」


ヴァンス組員15「ん?ところでオメェ誰だ」


バンス組員?「誰って銃見てわかんねぇか?」


 変装を解いたテッドが猟銃を向ける


ヴァンス組員達「な!?」


テッド「キレイに並んで良い子だね君たち」


 一列になった敵を一発の銃弾で一斉にはじけさせた


「バァン!」


「びちゃびちゃびちゃ・・・」


テッド「血でベトベトなっちまった。気持ち悪りぃ」


ジョン「おいテッド!お前奴らと一緒になって俺を撃ってたろ、ふざけんな!」


テッド「結果助かったんだから別にいいだろ。敵を欺くにはなんちゃらってヤツだ」


ジョン「まったく・・・と」


キッド「カーター!こいつを使え!」


 キッドが機銃を拾い上げってカーターに投げる


カーター「あんがとよ!」


「タタタタタタタタン」


アレックス「うわ、ちょっと。私にも銃!じゅう!!」


ジョン「待ってろよ!」


キッド「させる・・・」


「バァン」


 キッドがこちらにむけた機銃をテッドが猟銃で撃ち落とす


テッド「お前の相手はオレだ」


 俺は適当な機銃を拾ってアレックスに投げ渡した


ジョン「使い方分かるのかっよ!」


アレックス「カタログで覚えたわ!ありがと」


ジョン「ちょっと重いだろうが我慢してくれよ」


シルビア「ヒヒン」


 キャトルドライブの時のアレックスを真似て銃や弾を適当拾いに馬に乗る


ジョン「援護する」


カーター「二人がかりかい?いいぜ楽しませてやるよ!」


END

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ウェスト・ワンダーランド 軽見 歩 @karumi

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