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紺ユキ

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夜はとっくに眠っちまった…


でも俺は眠らない…


何故なら俺は夜に愛されちまった、世界で…いや、銀河でただ一人の男だからさ…

愛を捧げてくれる奴の気持ちを踏みにじるのは、敵に回すのと同じことさ…そう、恋という敵をな…


全く…夜の奴はぐっすり眠ってやがるぜ。呑気なもんだ…

そんなところが最高に愛おしいんだがな…

GOOD NIGHT 夜…


「あの~…」


おっと、せっかく夜を寝かしつけてやった途端に、これだ…

今夜は眠れそうにないようだ…


「どうした、青年?何でも聞くぜ」


この青年…なかなか可愛い顔をしてるじゃねえか…

まあ全身ブルーのファッションは、いただけないがな…


「いや、話を聞きたいのはこっちの方…」


「おっと、声は抑えてくれよ?今、やっと夜が寝たところだからな…起こしちまったら大変さ…色んな意味で、な」


青年の口に、俺のフィンガー一本を添えてやる…

俺のウインクと合わされば、大抵の奴はノックアウトしちまう…


「お酒飲んでます?」


フッ…良い質問じゃねえか

最高のセンスだな


「確かに呑んでるぜ…呑むか、呑まれるかのデスマッチ…まさに死闘だった…奴は最後まで振り絞ったが、俺には一歩届かなかったな…」


「飲まれてますね、完全に」


おや?まさかこの青年…まともな教育を受けてこなかったのか…?

チクショウ…なんて残酷な世界だ…

クッ…クソッ!涙が…!


「俺はお前を見捨てねえ…最後まで付き合うぜ、例え全てを敵に回しても、な」


「じゃあ、とりあえず一緒に来てもらえます?」


クク…大胆な青年じゃぁねえか

俺は懐の広い…

この程度の要求、なんてことない


「じゃあ、乗ってもらっていいですかね?」


なっ…、リムジン…だと

おまけに赤いランプまで兼ね備えてやがる…

コイツ…只者ではない…!

俺は注意を払いながらも乗ってやった

だってそうだろ…?

見捨てないって約束しちまったからな…コスモと…


「それで、これから何処に行くんだ?はたして、俺を満足させられるか?」


「とりあえず名前を教えてください」


遂に来たか…この質問が!


「フッ…悪いが一度しか言わない…よく覚えておけよ…」


一呼吸おいてから、俺は言った…


「ペルパタジィィふぉけぷピャピョピョポ@七ニャルフホベコ庫ぺぺペペペペペペペペパキクキョぼりゃ蜂ゴルク社ァァァァォぉぉQQQぷにょっぽベルぼる生キキおりゅりゅージョン@@ぬっそんガガZZ328ヒョォォ、だ」


「は?」


まあ、無理もねえ…

普通の人間には覚えることはできねえ

そう…普通なら、な


「親しい奴からは『ぺ』と呼ばれてる…」


「じゃあ、『ぺ』さん…」


「おっと、お前はまだ親しい友人じゃないだろ?もう少しの辛抱だぜ…朝には、きっと…いあ、それ以上の関係かもな…」


俺としたことが…

思わずはにかんじまった

これで、もう逃げられないな…

…おや?アレは通信機…?俺の話を無視して、一体誰と話してるんだ…


「すみません、ちょっと移動しますね」


やっと決心がついたようだな…

恐らく、あの通信はホテルの予約か何かだろう

意外とアグレッシヴな奴だな、まったく…


「着きました」


ん?あれがホテル?

随分と、こじんまりしてるし、扉も開けっ放しじゃないか…

これじゃ中が筒抜けだぁ…

既に先客もいるようだし…

世話の焼ける奴だぜ


「入ってください」


ふっ、いいだろう

俺も男だ…最後まで付き合っ…





「ママ…」

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