第4話 魔王なわけを知る

魔王の執務室に案内された。

いろんな風変わりなものがおいてある。

こんなにもいろんなものがあるということはさぞかし強かったのだろう。

「サンシェ、どうして先代魔王は討伐されたんだ?強かったんだろう?」

サンシェは吹き出しそうな顔で答えた。

と言うかすでに吹き出しかけている。

「油断と隙が大きかったんです。魔王なのに王都に行って普通に市場で買い物をして、地元民と飲み明かしたんです。そこをミステナ王の右腕にやられたんです。」

なるほど、吹き出した理由も納得だ。

とりあえず特訓しないとならんな。


子猫の姿のままなのであまり大きな武器は持てない。とりあえず特訓には割り箸サイズの木の枝でしのいでいる。

「魔王様、逃げられては訓練になりません。痛っ。」

サンシェの後ろをこっそりをとり奇襲した結果びっくりしたようで震えてた。

「サンシェ、大丈夫か。まぁ体は小さいからこうするしか無いんだよな。」

サンシェは何か閃いたようで手記に記し、訓練を再開させた。


数日様子を見なかったサンシェが木箱を背負いやってきた。

「魔王様、数日留守にして申し訳ありませんでした。お詫びといってはなんですが、私の部族の鍛冶屋に魔王様専用の剣や盾、鎧を用意させました。受け取りに行っていたので留守にさせて頂いておりました。」

木箱を開け、丁寧に梱包を解き、渡してきた。

軽くしっかりしている。これなら身軽に動け、且つ高い戦闘能力を発揮できる。

「サンシェ、この剣はよく馴染む、何か特別な術式でもかけてあるか」

「ええ。魔王様の魔力を一部を頂戴させて頂いておりましたので剣や盾、鎧に練り込んでおきました」

なるほど、これはかなり気に入った。

サンシェ、感謝するぜ。


「あれって魔王様よね。小さな体なのに魔王様ってオーラ全開よね、かっこいいわぁ!」

「魔王様って、オーラ、調節できるみたいよ。凄いわよね、うちの旦那なんて・・・」

魔王の城の城下町、アデェイルに視察に来ていた。魔王となるともう街中の注目の的である。

「サンシェ、この街は活気があるな。」

「そうですね、魔王様につくものと人間が共存できている平和な街として有名です。この世界中、こうだといいのですが。」

「まっ、腐ったミステナ王とゆかいな仲間たちを改心させるかぶっ潰せばいいんだろ。サンシェ、近々仲間を集めてくれ。」

魔王として、この世界をいかによくできるかよくわかっていないが、我々は戦いを望んでおらず、平和に暮らしたいだけである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生魔王は猫から始めた 放浪書気 @horoshoki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ