第44詩 ソコは底

「落ちるだけ落ちたら…あとは上がるだけ」

無責任な言葉だ。

それは…底を知らない人の言葉。


本当の底なんて、ここには無い。


沈むだけの世界。


黒より深い暗黒…それより深い闇。

ここは熱くも冷たくも無い。

快感も苦痛も無い。


自分の指の先がどこにあるか解らない。

つま先がどこを向いているかも解らない。


どこまでが自分で、どこからが闇なのか解らない。


『無』とは『0』ではない。


全てがココに在る。

だから特化して感じることは何も無い…何も感じない。


そんなところに心を置いている僕を…それでもキミは僕を呼ぶんだ。

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