私の女子力は53万です。
なつみ@中二病
女子力を鍛える──
・登場人物
カナ:この物語(?)の主人公。大好きな先輩にモテたいと思う。
がんばるあまり、キモい表情とか動きをやってしまう。
快活な女の子。
ユリ:ツッコミ。
常識を持って観客と同じ立場に立ち、観てる側の気持ちを代弁していく。
ミホ:モテる女。モテるための仕草をカナにレクチャーする。
(ちなみに、なつみの別作品「これからはそういう『設定』で!」の
ヒロイン、神崎美穂(こうざきみほ)その人だとかなんとか。
彼女がモテるのはテクニックじゃなくて特殊『能力』なので、
彼女が言うことはあんまり信憑性がないです。)
タケ:タケル先輩。カナの想い人。
カナ「ユリ、ユリ、ユリ、どうしようっ!!」
ユリ「え、カナ、なに、どうしたの!?」
カナ「タケル先輩と、で、ででで、デートすることになった」
ユリ「ほんと!? やったじゃない! これで一気に距離を縮めて、二人は恋人同士?」
カナ「もう、やめてよ! あ、あたし、そんな大胆なことできないよー」
ユリ「でも二人はもう相思相愛みたいなもんだから、時間の問題かなー」
カナ「でもあたし、かわいくないし、女の子っぽくないし、
どうしたらタケル先輩に好きになってもらえるかわかんないし」
ユリ「てんぱってるなー。あー、こんなときにモテテクニックの天才、神崎ミホさんがいたらなー」
カナ「あの伝説のカリスマ女子、神崎ミホさん?」
ミホ「あなたたちの心の叫び、しかと受け取ったわ!」
カナ・ユリ「だ、誰!?」
ミホ「とうっ!」
ミホが跳んで颯爽と登場!
ユリ「あなたは、モテの女王、神崎ミホさん!」
ミホ「あなたたちの気持ち、とてもよくわかるわ。私がかわいい女の子になれる方法をレクチャーしてあげる」
カナ「ほ、ほんとですか?」
ミホ「もちろんよ。私は全ての恋する女の子の味方よ」
カナ「ありがとうございます!」
カナ・ユリ「よろしくお願いします!」
ミホ「まず、女子の第一印象を決めるのはかわいらしい仕草よ」
ユリ「なるほど」
カナ「え、でもあたし、女子っぽい仕草とか、無理だよ」
ミホ「大丈夫。私の指導した通りにすれば、誰でもかわいい女子の仕草ができるようになるわ。
私がレクチャーしてあげるわね」
カナ・ユリ「はい!」
ユリ「男ってね、無意識に女の「曲線」に惹かれるものなの」
カナ「えっと、胸とかくびれとか体のラインってことですか?」
ミホ「うーん、そういうのもあるんだけど、例えば、テレビで芸能人とかが座ってる時、
足を斜めにして座るでしょ? ああすることによって体に曲線を作ることができるの」
ミホの説明中に椅子に座り、まっすぐ座った姿を見せた後、
脚を斜めにして座る。
カナ「なるほど!」
ユリ「確かに、集合写真とかでも脚を揃えて撮っているのを見たことがあるわ」
ミホ「普段の動作にしてもそう。例えば、右にあるものを右手で取るのは普通なのだけれど、
そこをあえて右にあるものを左手で取ると」
ミホ、説明に合わせて動きを見せる。
カナ・ユリ「おお! 艶めかしい!」
ミホ「そして、歩くときはウチマタを意識しながら、モデル歩き。歩く時も体の曲線を意識する。
ちょっとやってみて」
カナ「はい!」
カナ、内股でくねくねとしながら歩く。
ユリ「違うからそれ! ただのトイレ我慢してる人だから!」
カナ、高速で内股でくねくねしながら歩く。
ユリ「こわいから! それかわいくないから!」
ミホ「はい、ここで曲線を作る!」
カナ、無理な体勢で訳のわからないポーズを取って静止。
一応。全身で曲がりくねった曲線は表現している。
ミホ「うーん・・・おっけ!」
ユリ「いいんだ!?」
ミホ「あと男は狩りをする動物だからね。基本的には、揺れる物に興味を惹かれる」
カナ「先生! 私の胸、揺れるほどありません!」
ミホ「そういうことじゃなーいっ!」
ミホの拳でカナがふっとぶ。
ミホ「髪を結んだり、アクセをつけたり、物理的に、視覚的に揺れる部分を作ってあげるの。
そうしたら、男は目で追ってしまうものなのよ」
カナ「なるほど! つまりこういうことですね!」
カナ、体をメトロノームのように細かく、素早く動かす。
ユリ「ちがーう! そういうことじゃないでしょー!?」
ミホ「(考え込む表情のあとさわやかに)うーん・・・おっけ。わかってるじゃない」
ユリ「いいの!? 違うよね!? こういうことじゃないよね!?」
ミホ「あとは、脇をしめて肘から上は体につけて行動する。
ちょこちょこ小さな動きでかわいらしく見える!」
ミホ、重い荷物を持って「よいしょ、よいしょ」とかわいく動く。
小動物のようなかわいい動きで手を振る。
カナ「かわいー!!」
カナもやってみる。
微振動する壊れたおもちゃみたい。
ユリ「モテない! これは絶対モテない!」
ミホ「次は上目づかい! かわいい女子の定番!」
ミホ、かわいく上目づかい。
カナ、ホラーな感じで上目?づかい?
ユリ「こわいから! 貞子みたいになってるから! そんなんじゃ男落ちないから!」
ミホ「あひる口もかわいい女子のアピールよ!」
ミホ、かわいい口元。
カナ、カモノハシみたいなネタ顔に。
ユリ「やばいから! 口じゃなくて顔がアヒルだよ! ただの変顔だよ!」
ミホ「小首を傾げるのもかわいい仕草!」
ミホ、かわいく小首をかしげる。
カナ、首をかしげるというか、首が曲がってる。
ユリ「違うから! それただの寝違えた人だから! 首折れてるからーっ!」
カナ「よし、なんだか自信がわいてきた! あたし、タケル先輩に会ってくる!」
ユリ「やめて! 今のカナは女子力マイナス53万だからーっ!!」
タケルが現れる。
カナ「あ、タケル先輩・・・」
ミホ「あなたに教えた全てをここでぶつけるのよ!」
ユリ「ダメー! あんなもの同時に見せちゃダメーっ!!」
カナ、全てを同時にやる。
内股で微振動しながら大きく揺れながらアヒル顔の変顔で首が曲がって体はくねくねしながら
貞子やりながらおしっこ我慢して高速で動く化け物の動きでタケルに迫る。
ユリ「タケル先輩逃げてーっ!!」
タケ「カナ・・・?」
ユリ「終わった・・・恋が終わった・・・」
タケ「やべえ。めっちゃかわいいんだけど」
ユリ「なにーーーーーっ!!!???」
ミホ、親指を立ててグッジョブ。満面の笑み。
小刻みに震え続けるカナ。
暗転。
私の女子力は53万です。 なつみ@中二病 @chotefutefu
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