ヘルパーとして介護業務に従事する主人公と、彼の目を通した利用者やその関係者の姿が丁寧に描かれています。
作品に登場する利用者たちは、死を宣告されているにも関わらず、自分の不幸に卑屈になったり絶望したりせず、一人の人間として前向きに毎日を生きています。
しかし、表に出さないだけで、心中ではきっと死への恐怖と戦い、苦しんでいるに違いありません。
それを陰から助け、支える家族や恋人の存在が印象的でした。
人の生死に関わる重い題材・テーマで、現場を知らないわたしが軽々しく口にすべきではないかもしれませんが、とてもいい作品だと思います。