機士転生・バトルグリッター

@skysaber37

第1話

剣と魔法の世界に、別世界から助っ人が召喚された。


彼らは自分たちが持つ力でその世界の悪と戦うことになってゆく。


ただ1つ特殊だったのは、彼らが人間ではなく、


変形ロボットだったことである。




こことは違う、どこか遠い別の世界の国。その名は「ゴレペオア王国」。

この国には、王家のみに代々伝わる不思議な宝石が存在した。


一つ、空の力を宿すと言われる「スカイット」。

二つ、海の力を宿すと言われる「マリンカイ」。

三つ、地の力を宿すと言われる「グランオン」。


 この宝石は、「命あるもの」、すなわち生物と融合することでその真価を発揮できるとされた。だが今から百年前に生物と融合させてみたところ、力を制御することができずに暴走した。

 自分の国をも滅ぼしかねない力に人々は畏怖し、暴走した力はまたなんとか宝石へと戻った。そしてこの宝石の力を解放することがないように王家が「国の象徴」として保管をすることに決めたのである。


 だがこの膨大な力に目を付けたのがゴレオペアから遠く離れた強大な帝国である「ブラクロス帝国」であった。

 圧倒的な軍事力で周りの国を次々に支配下に置き、世界を一つの国にしようとしていたブラクロス帝国は力を一層強めるべく、ゴレオペアに侵攻を開始したのである。



ゴレオペアも当然これに対抗。しかしブラクロスの軍団はあっという間に王国勢を呑みこんでいった。さらにその中には魔術師もおり、巨大なゴーレムを大量に投入したのである。

王と妃は一人娘であるカレン姫、そして向こうの目当てである三つの宝石を側近の一人のマリアン、女騎士シーアに託し、逃げるように指示をした。

マリアンとシーアはカレン姫を連れ、城を離れてブラクロスの侵攻方向とは真逆の方へ逃げて行った。


「ここまで来れば、なんとかいいでしょう。」

気が付けばもう真夜中になる頃合であった。どこまで逃げたのか分からないが、空地に着いていた。マリアンが城の方角を振り返る。

「おのれブラクロス・・・。三宝石を目当てに多数の人民の命を奪いおって・・・。このままでは王と妃も危ないぞ。」

シーアがごちる。その横ではカレン姫が重い顔をしていた。当然である。普段通りの日常を送っていたら、いきなり戦火に巻き込まれたのだから。

「お父様・・・。お母様・・・。」

カレン姫はまだ齢10歳である。脱出直後に大泣きし、ここに着いた頃にはすでに涙は枯れ果てていた。

「大丈夫です、姫。二人ともきっと無事です。今はとにかく逃げましょう。」

慰めるシーアであったが、なにぶん自分たちの何十倍も巨大な軍である。絶望視する部分が心を覆い始めていた。

「イヤよ!私はお父様とお母様が一緒の方がいいの!私だけ逃げるなんてできない!」

「そうは言っても姫、これはあなたのお父様のいいつけなのです。せめてあなただけでも逃げて、血筋が絶えぬようにと・・・。」

「それでもイヤ!私はお父様とお母様と逃げるの!」

「しかし・・・。」

ううっと唇をかみしめる姫。するとそれを見ていたマリアンは懐から少し古ぼけた髪を取出し、広げると近くにあった枝で地面に何かを描き始めた。

「マリアン、何をしている?」

シーアが声をかける。その質問にマリアンは顔を向けずに答えた。

「召喚魔法を発動させます。」

「召喚魔法?」

「はい。今のままでは当然戦況は不利です。さらに向こうの戦力にはゴーレムというデカブツもいます。せめても、助けにいくくらいなら・・・。」

そう言いつつ描いている魔法陣は、自信の何十倍もある直径の大きな魔法陣だ。現在は夜だが、大きな月が辺りを照らすためにかなり明るい。

「というか、マリアンは魔法が使えたのか?」

「はい、もともと魔法使いとしての家系ですが、ワケあってお手伝いをやっているんです。」

「というか・・・。」

シーアは書き途中の魔法陣を見やる。

「私は魔法使いではないし、魔法の事も少ししか知らないが、一般人でも分かる範囲だと、魔法を使うのって相当体力がいるんだよな?」

「ええ。」

「その大きさ・・・。」

「私一人だったら間違いなく死にます。」

マリアンはしれっとした表情だ。

「というかなんでこんな巨大なのを?」

「ゴーレム軍をすり抜け、王と妃を助けるためにこちらもデカブツを召喚してしもべにする予定ですから。」

描き終わった魔法陣は、3人のいる空地のほとんどを埋め尽くすほどに巨大であった。

「では。」

そういうとマリアンはシーアの手を取る。

「ちょっと待て!なんで私の手を取る!?」

「言いましたよ。この大きさだと、使う体力も相当になって死にます。」

「で、私にも生贄になれってか!?」

「大丈夫です。2人くらいの大の大人の体力があればしばらく起き上がれない程度で済みます。」

「それでもイヤだわ!」

「ですが。」

マリアンはシーアに向き直った。

「いつまでも燻っていても始まりません。私達だけでも助けにいくべきです。」

「でも、あの大軍だぞ。勝ち目はない。」

「戦いません。いや、戦うのは防衛のためで、王と妃をかっさらえばいいだけの話です。」

「な、なるほど・・・。」

「かっさらえば近隣国に助けを求められたりできますし。では、いきますよ。」

戸惑い半分のシーアを尻目にマリアンは召喚魔法を唱え出す。その様子を見ていた姫は、シーアに尋ねた。

「何してるのー?」

「姫、あなたのお父様とお母様を助けるための準備をしています!」

「本当!?」

「ええ、任せてください!」

「無理しないように頑張ってね!」

「はい!」

その直後、召喚魔法の詠唱が終わり、魔法陣が激しく光り出した。それと同時に、突風も舞う。3人はその風に吹き飛ばされぬように必死であった。

「マリアン!本当にこれでいいのか!」

「恐らくは大丈夫でしょう・・・。ああ、出てきてます!」

魔法陣の中心から、何かがにょきにょきと顔を出している。魔法陣に照らされたそれは、角ばった何かであることは確認できた。

「もう少しです!シーアさん!踏ん張って!!」

「ぬっ、ぐおぉぉぉ・・・!!!!」

そうしているうちに、魔法陣から何かが勢い良く飛び出していく。しかも3つも。勢いよく吹っ飛んだそれらは空地を飛び越え、その先の森へと落下していった。

その様子をポカンと見ていた姫は魔法陣近くで伸びている2人を見つけ、近寄る。

「マリアン!シーア!大丈夫!?」

「・・・ああ、大丈夫だ。」

「・・・私もなんとか。ただし、こうして喋るだけで精いっぱいですが・・・。」

2人とも地面に体を投げたまま動かない。動いているのは目と口だけだ。

「私、どうしたらいいの?」

「姫様は先ほどの召喚されて吹っ飛ばされたところへ行ってください。」

「でも・・・。」

「大丈夫。すぐに動けるようになります。」

不安になりつつも姫はその場を離れ、召喚されながら吹っ飛ばされた地点へと向かう。

姫が向かった先にあったものは。

「四角くて大きい・・・。これは、鉄かしら?」

 少し進むと今度はかなり見覚えのある物が目につく。

「・・・手?」

黒く、角ばってはいるがきちんと5本の指がある手である。そこをひょいと上り、落ちないように気を付けて進む。

そしてその先にあった物を見て姫は驚いた。

「おっきな顔・・・。」

 まさしく、人間の顔がそこにはあった。しかしその材質は金属でできている。目があったと思われる部分は暗く、瞳があるのかさえも分からない。

さらにぴくりとも動かない。吹っ飛んだ衝撃で気絶してしまったか、もしくは死んでしまった可能性もある。

だが、そんなこともお構いなしに姫はこの動かない顔を叩き、起こし始めた。

「ねえ、おっきな顔さん、私のお父さんとお母さんを助けて・・・!」

だがその大きな顔はまだ動かない。強く叩こうとも、大きな声で呼びかけても返事をしない。

姫はだんだんと不安に駆られた。マリアンとシーアが頑張ってくれたのに、結局は召喚が無駄になり、自分の両親と二度と会えなくなるのでは、と。

そして、あることを思いついた。ただしこれは、子供である姫にとっては真っ直ぐに考えたものであったが、実は大博打を打つことになる。

顔から降りた姫はまだ動けていないシーアの下へ向かうと、シーアの腰に着けているポシェットのような小さなカバンから、あるものを取り出した。

「ひ、姫!それは・・・!」

家宝の宝石である。姫は必死で宝石を1つ掴み、走り出した。


吹っ飛んで行った召喚されたものは3つあるはず。それらに1つずつ宝石を埋め込めば、もしかしたら「大きな顔」は目覚めてくれるかもしれない。


姫はそう思っていた。しかし実際には、大昔あった出来事の通り、暴走する危険性も孕んでいる。だがもう姫にとっては宝石の力に頼るしかなかった。

例え暴走したとしても、ゆくゆくはブラクロスの軍が行き、返り討ちにしてくれるはず。そしてその隙に自分の両親も助け出す。姫はそんな甘い希望も抱いていた。


再び手を上り、大きな顔の前へと上る。しかし顔の前に行こうとした瞬間、焦りからか宝石を落としてしまった。

「あっ、宝石が!」

宝石が転がり、やがて止まったその瞬間だった。


赤く強烈な光が放たれた。その光に目がくらみ、姫は尻餅をつく。赤い光は召喚時の魔法陣よりも強く光を放ち、やがてその光は辺り一帯を包み込んだ。

「ううう・・・。」

光が収まると、姫は気を取り直して顔へと向かう。顔の前に来た直後であった。黒かった目の部分に光が灯った。

その光は鮮やかな緑色に輝き、じっと姫を見据える(ように見えた)。


姫はドキドキしながら顔に尋ねた。

「ねえ、大丈夫?」

しかし顔からはしばらくは何も話さない。しばらくの沈黙の後、突然顔が喋った。


『誰だ・・・お前?』


随分とフランクであった。大きな顔が自らに語りかけるという少し怖い状況であるが姫は恐れず答えた。

「私、カレンっていうの!」

『カレン・・・。』

「ねえ、突然のことなんだけど、私達を助けて!」

『な、何のことだ・・・。ていうかここはどこだ?俺達は戦っててそれで、敵の攻撃にさらされたはずなんだが・・・。』

向こうは何が何やらといった感じであるが姫は構わず続けた。

「お願い!私たちは悪い奴らに襲われて、お父様とお母様が取り残されたの!だから、私達を助けて!」

『ちょ、ちょっと待ってくれよ!いきなりそんなこと言われても困るんだけど・・・。ていうかここどこだよ、お嬢ちゃん?』

「ここはゴレオペアっていう国なの。」

『ゴレオペア?』

大きな顔はそして少し黙る。大きな顔からは何やら細い駆動音が響いた。

『俺のメモリーにある世界地図に、ゴレオペアという地名は無い。それに、お前のその服装も検索してもらったが、遥か旧世代の王族が着ていたものによく似ている。』

「そうよ、私はゴレオペア王国の姫だもん。カレンって言うの。」

『姫?カレン?』

こくん、と姫はうなずいた。そこでまた顔が動きを一定時間止める。

『やっぱ、俺のメモリーにゴレオペアという国のカレン姫という人物はインプットされていないぜ。』

「そんな・・・。いくら遠くてもゴレオペアのことは知られてるはずなのに・・・。」

『ごめんな。知らなくて。』

「ううん、いいの。でも、まずはあなたにやってもらいたいことがあるの。」

『さっきお前さんたちを助けろってことでしょ?でも今は状況が知りたいんだ。』

「じゃあ、あなたは今までどこにいたの?」

『俺達は仲間と一緒に戦いに行っていたんだ。で、敵に完全包囲され、集中砲火を浴びたところに気付いたらここにいたってわけ。』

「ここに来たのは、私達の事を助けてほしいから私たちが呼んだのよ。」

『呼んだ?どうやって?』

「それは私が話そう。」

がさり、と茂みからシーアとマリアンが出てきた。2人とも体力もなんとか回復している。またシーアは騎士、つまり戦士という事もあって普段から体を鍛えている為、体力の回復は早かった。

『君たちは、このカレンちゃんとかいう子の仲間か?』

「そうだ。私は騎士、シーア。」

「姫様の侍女をしています、マリアンと申します。」

『じゃあ、こっちも。あ、カレンちゃん。俺からちいっと降りてくんねえかな。』

姫が顔から地面へと降り、2人の下へと向かう。それを見た顔はぐいっとその下にある体を起こした。

「大きいですね。」

「ああ、ブラクロスのゴーレム並だな。」

「シーア、怖い・・・。」

侵攻してきたゴーレムの大軍がフラッシュバックしたのか、姫が若干震える。

「大丈夫です、姫様。悪い人には見えません。」

「でも・・・。」

「私たちがついてますから。」

マリアンも励ました。

『あー、俺は戦闘用に開発された可変ロボット、ヴァイスナーだ。』

「かへんようろぼっと?ゴーレムとは違うのか?」

『ゴーレム?』

そしてまたヴァイスナーは動きを止める。

『ゴーレムって、伝承上の生き物みたいなモンじゃないのか。』

「違う、ゴーレムは魔術師が土と金属、そして自らの肉体を糧にして生み出される恐るべき兵器のことだ。」

『ええ?』

どうも、話がかみ合わない。その場にいる全員が違和感を覚えた。

「ならば、ヴァイスナーと言ったか。さきほどから姫様と貴様が会話しているのをかじって聞いていたのだが、貴様はゴレオペアのこと、そして姫様のことも知らんらしいな。」

『ああ。』

「どこの国から来た?」

もしかしたらとんでもない辺境にある国から来た特殊なゴーレムかもしれない。無理矢理な理論ではあるが、シーアはこう片づけるしかなかった。だが、向こうからの答えは理解しがたいものであった。

『生まれは日本だが、ちょっとした任務でクウェートを経由し、イラクへと言ってた。』

「にほん?くうぇーと?いらく?」

いくら騎士でも学問はそれなりに修めたシーアであったが聞きなれない言葉が目立つ。

「それらは国か?」

『ああ、国だ。っていうか、アンタらさっきからうすうす思ってたんだけど、やたらめったら古い格好してるよな。そこの姫様も。アンタも。隣のアンタに至っては、かなり昔に流行った・・・なんだっけ、『メイドさん』?じゃねーか。』

メイドさん、とはむろんマリアンのことである。

さて、この会話によりなぜか言葉はかみ合っても会話の内容がかみ合わないことが決定した。いくら辺境と言えども、自分たちのことを知らず、あまつさえ「古い」という。

これは実に不可解であり、一度じっくりと話し合いたいが、今は時間が無い。

なんとかしてヴァイスナーを仲間に引き込み、救出作戦といきたのだが、ヴァイスナーは次の話を始めてしまっている。

『ていうかさー。仲間はどこよ。』

「仲間?」

『ああ。アルケーとエミレムっていうんだけどよ。いな・・・いた!』

そういうや否や、大きな地響きとともに数歩歩く。3人も後に続いた。ヴァイスナーと共に召喚された仲間らしい。これもまた巨大であった。

『おーい!アルケー!寝てる場合じゃ・・・。』

「どうした?」

『機能停止してる・・・。』

「なんだと?」

『嘘だろ!オイ!目を覚ませよ!目を覚ませって!』

そういって起こそうとするがこちらもピクリとも動かない。そもそもその目に光は灯っていなかった。

『くそ・・・なんてこったよ・・・。任務で捨て駒にされて、変な所に吹っ飛ばされた挙句俺だけ一人ぼっちになるとは・・・。』

悲しみの表情を浮かべるヴァイスナーにシーアが声をかけた。

「変なところとは聞き捨てならんな。それに、君の仲間とやらもこれで生き返る可能性がある。」

『なんだと?』

シーアの両手には、残り2つの宝石が輝いていた。

「今さっき、姫様の話を聞いた。恐らくお前も死んでいたのだが、その宝石が力を与えてくれたのだ。」

ヴァイスナーが自分の胸の中心を確認する。以前まで無かった赤い宝石がハメこまれていた。

『てことは俺はこれのおかげで生き返ったってこと?』

「ああ、恐らくな。だが、姫様はこれをうっかり手からこぼしてしまったらしい。この宝石はどうやら、生物の体の正中線に置かれるとその生物に力を与えるようだ。」

『マジかよ・・・。じゃあその宝石が大きくなったのは?』

「それは知らん。」

シーアは一方をマリアンに渡す。

「マリアン、君はあっちのゴーレム・・・かへんろぼっととやらに宝石を埋め込んで来い。」

「かしこまりました。」

あっち、とヴァイスナーが視線を移す。

『エミレム!』

「大丈夫だ。」

いつの間にかシーアがアルケーの体の上に上っていた。

「この何と言ったか・・・。」

『アルケー?』

「そう、それだ。」

シーアがちょこんとアルケーの体の正中線に宝石を置く。青い閃光が辺りを包んだ。さらにそれに遅れて緑の光も巻き起こる。マリアンもエミレムの体に宝石を置いたらしい。

閃光が2つとも収まる。そして変化はすぐに起こった。

『む・・・そこにいるのは・・・ヴァイスナーか?』

『アルケー!』

『ヴァ、ヴァイスナー殿!』

『エミレムも目覚めたか!良かったぁ!』

むくりと2つの巨体が森から起き上がる。3体の巨人が森に集合しているのは圧巻だ。

『まさか、あの絶望的状況から再起動できたとは・・・。運が良かったですね!』

『全くだぜアルケー!』

『しかしヴァイスナー殿、ここはどこでありますか?』

『いや、それがさぁ、よく分かんねえっていうかどっかに連れてこられたらしいんだよ・・・。』

『何?』

そしてヴァイスナーは今までの状況を2体に事細かに説明した。さらに姫やシーアもこの説明に加わる。

『つまり、そこにいる3人の女性が、この国の危機を救うために私たちをここに連れてきた、と・・・?』

『そうなんだよ、しかも日本とかイラクとか知らなくてさあ。大丈夫かな、いきなり任務変更しちゃって。』

ヴァイスナーは相変わらずの軽々しさだが、アルケーは黙っている。そして、3人に近寄った。

『すまない、お嬢さん達。この世界に、日本、クウェート、イラクという国は無いのですね?』

「そうだ。聞いたことは無い。マリアンもそうだな?」

マリアンは今いる3人の中では知識がある方ではあるが、ヴァイスナーやアルケーの言う国の名は聞いたことがないという。

『どういうことだよ、アルケー?』

『何か分かったのでありますか、アルケー殿!』

『にわかには信じがたいことなのですが・・・。』

『なんだよ。もったいぶらずに言ってみろよ。』

アルケーは真剣な眼差しを2体に向けた。


『私たちは、異世界に連れて来られたのです。』


しばらくの静寂が辺りを包み込む。

『い』

「せかいだと・・・?」

ヴァイスナーだけじゃない。シーアまでポカンとした表情をしている。

『私達の常識がこちらのお嬢さんに通じず、またこの国の情報は我々のメモリーにはありません。我々のメモリーは全世界の国のありとあらゆる情報をインプットされているのに。しかもお嬢さん達は私たちを連れてきた方法として『召喚』という方法を使ったと言っています。』

『なあ、アルケーさんよ、そんなことがホントに・・・。』

『話がかみ合わない以上、信じるしかないと思います。』

『アルケー殿、そんなマンガやアニメのようなことが・・・。』

『現実に起こってしまったのです。それも、私達に。』

ショックを受けたのは彼らだけではない。

「この世界とはまた違うところから、貴様たちは来たというのか・・・?」

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