城の中

激しい戦いの後、王子が何処からともなく現れた。

「すみません。皆さん。」

「すみませんで済むなら法律は要りません。」

レイナがキッパリ言う。さすがに突然姿を消したことに関しては多少怒っているらしい。

「実はこのタガー、戦闘にとても不向きなんです。切れ味は悪いし、魔法も発動に少し時間がかかるんです。」

強いが色々と欠点もあるらしい。

「ところで他に何か持ってないの?」

と、さっきから疑問に思っていたことを聞いた。あくまで一国の王なのだから剣の一本位持っていそうなものである。

「持っていたらいいんですが…」

「え…」

「流石に二回目の死にかけたときに下半身もろとも消されてしまいました。魔女も慎重ですから。」

「今、さらっと凄いこといいましたよね。」

シェインが言った。

「まぁ、死ななければ大概は平気だよ。」

「ワイルドすぎでしょ。」

「か………けれ…な…。」

「何か言った?」

「いや、何でもないよ。」

しかし、姿を消しながらも後ろに回っていたウィランを十数匹倒してくれていた。

「やはり援護射撃位しかできないか…」

王子はやはり落ち込んでいた。

「大丈夫だって!俺らがいるんだから頼れよ。」

タオが久々に男らしく言った。

ところが王子はこれをスルー。

「皆さん俺の部屋に着きますよ。」

「おいおい。おもいっきり無視かよ…」

「何かありましたか?」

王子は少し天然だったらしい…


5mほどの長いはしごを登ると人が一人通れる穴があいていた。それをくぐると、王子の部屋に着いた。

「案外ここはイメージ通りだな。」

多少怪しい薬品や、武具が多いことと、外の景を色除けばかなりイメージ通りだ。

「あらかじめここは魔法で結界を張っていたので敵はいないですね。」

王子の才能はいまだに未知数だ。

ドアを出て王子の部屋がある二階から階段を、七階まで登る。登る途中王子が魔女は七階にあることを説明した。

しかし、王子の足は五階で止まった。

「皆さん宜しくお願いします。」

お約束のように姿を消した。

やはりウィランがいる。

「一気にかたずけるぞ!」

タオの一声で戦いの幕が落とされた。

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