第14説 静寂の図書室

 みょううすぐらい旧校舎内の廊下を徐々に降下した紙飛行機は、図書室のドアのすき明かりに吸い込まれて行った。あわててドアの窓から図書室をのぞいてみるが、明かりが点いてるだけの無人教室だった。貸し借りする為の図書カウンター前に飛来した紙飛行機を取りに図書室へと入った。

「失礼しまーす!」

「…」

 ドアを開けて挨拶あいさつするもむなしく、やはり返事は返ってこなかった。紙飛行機を取りに行こうと、足早に図書カウンター前へ進んだ。紙飛行機をかがみみながら手で取ろうと、紙飛行機に触れた瞬間だった。

"ガラガラガラガラ"

 突如とつじょ、開けていたはずの図書室のドアが勝手に閉まった。突然の出来事にあせった自分は、再び尻餅をついてしまった。

和泉いずみ君って案外あんがい、ドジっ子さんなのね」

 自分は透かさず、後ろを振り向いた。

虎耳とらがみ‥一体、いつから図書室ココに?」

 そこには、虎耳とらがみゆいがいた。

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